著者
伊村 優里 樂木 章子 杉万 俊夫
出版者
Japan Institute for Group Dynamics
雑誌
集団力学 (ISSN:21872872)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.409-435, 2013

地域主権を構想する上で、国と地方自治体の関係を見直すのみならず、市町村よりも小さなコミュニティ、すなわち、「風景の共有できる空間」での住民自治をいかにして育むかを考えねばならない。農山村では、戦前ないし昭和の大合併以前の旧村が、「風景を共有できる空間」に相当する。<br> 鳥取県智頭町では、旧村単位に地区振興協議会を設置し、住民自治を育む運動が始まっている。本論文では、同町を構成する6つの地区(旧村)のうち、地区の運動を現場調査に基づき報告する。具体的には、各地区について、①地区振興協議会立ち上げの経緯、②現在までの活動、③活動の成果と今後の課題を報告する。