著者
伊東 秀夫 藤平 隆司 原田 進 城戸 優光 加治木 章 中島 康秀 黒岩 昭夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR TB AND NTM
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.303-308, 1984-04-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
5

Accelerated inactivation of corticosteroids following rifampicin therapy has beenrecognized. We observed nonresponsiveness to prednisolone treatment during rifampicinadministration in a case of systemic lupus erythematosus with diffuse alveolitis andconcomitant apical tuberculosis.A 51 year-old woman complained in September 1980, of polyarthralgia and butterflyerythema of the face. From typical clinical manifestations and positive serological tests, systemic lupus erythematosus was diagnosed and treatment with prednisolone was startedat a local hospital. To prevent exacerbation of old apical tuberculosis, isoniazid 0.2 gdaily was also administered. Good response was obtained for an initial few months butdyspnea, diffuse pulmonary infiltrates appeared following prednisolone decrement.She was transfered to our hospital in August 1981. On admission, she had a few skinulcers in bilateral hands and pigmentations over the surface of shoulder, elbow and knee.Velcro rales were audible over the lung base. No lymphadenopathy was detected.Laboratory examination revealed positive RA test, antinuclear and anti-DNA antibody. Thyroid test and microsome test were also positive, but LE test, RNP antibody, SMantibody were negative. C4, CH50 were normal but C3 was decreased. Chest X-Prevealed diffuse reticular shadows in bilateral middle and lower lung field and nodularconsolidation in right apical region. Although tubercle bacilli was negative in sputum, exacerbation of tuberculosis were suspected radiologically. Histological specimen obtained by transbronchial lung biopsy from the left lung showed mild interstitial thickening of alveoli with mononuclear cell infiltration.Prednisolone was increased from daily dose of 5mg to 80mg and 450mg of rifampicin, 1, 000mg of ethambutol were added, but no response was obtained. In December 1981, prednisolone was altered to equivalent dose of betamethasone but minimal improvementwas observed.After quitting rifampicin on January 1982, dramatic improvement in symptoms, laboratory data and chest roentgenogram was achieved. Although pharmacokineticstudies were not performed, we feel that the circumstantial evidence suggests strongly toincreased metabolism of prednisolone by rifampicin-induced microsomal enzymes.
著者
斎藤 隆 伊東 秀夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.137-146, 1961
被引用文献数
3

花の性の分化に関して,葉の演ずる役割について研究した結果,次のような事実を認めた。実験方法は,始め高温連続照明の下で育苗し,随時発達状態に応じて,これに短日処理を与え,後再び高温連続照明の下に移し,それぞれの状態で植物体の葉が短日処理に感応した結果をその雌花発現状態の上で観察しようと試みた。<br> l.葉面積 本葉4葉展開したもので,葉身を3/4あるいは1/2切除し,面積を減らした結果,面積が減るに伴ない雌花発現数も減ることが.見られた。<br> 2.葉令 5葉展開した時期に,第1葉から第5葉のうち1葉のみを残してほかを摘除して験したところ,第3節葉が最も能力よく,第2節葉,第1節葉の順に続き,葉令の若過ぎるものも葉令の進み過ぎたものも,葉令中期のものより機能が劣ることが認められた。<br> 3.葉面上の部位 葉面上の部位による差は,先端寄りの半分を残したものが,縦半分割あるいは基部寄りの半分寄りを残したものより劣り,後の2者にはほとんど差がない。<br> 4.苗令と葉令 2葉・3葉・4葉ならびに6葉展開苗で,各1葉のみを残して摘葉し比較した。同節位の葉を比較すると,葉令は苗令の進行とともに進み,最も雌花発現能力の強い葉は苗令の進行とともに順次上節位に移つてゆく。<br> 5.苗令と葉面積 2葉・3葉・4葉および6葉展開苗で,頂端の葉1枚のみを残したものから,順次下位の葉1枚ずつを添えて残したものをつくつて比較すると,頂端の葉1葉のみの処理を受けたものは,6葉展開苗では雌花が僅か発現したが,ほかの苗では発現せず,苗令の違うことの影響が見られた。同じ葉数をもつ黄同志の間で苗令の進んだものほど雌花数が多かつた。葉面積が大体等しくても苗令の影響が現われた。<br> 6.未熟葉と成熟葉 圃場(気温20°C,日長15時間)で,葉が横径5cmあるいは7cmに達したら摘除する処理を行なうと,前者では第19節辺から雌花が冤られ,後者では第13節辺から見られた(標準区と同じ)。本葉3枚あるいは6枚展開した時に頂端の第1葉(未展開葉)を摘除し,その後も新葉を発生次第摘除しつづけると,前者では雌花は第5節から,後者では標準区と変らなかつたが,両区ともおそくなつて下位の雄花節に両性花・雌花が発現した。未熟葉を摘除すると雌花の発生を助長するものと見られる。<br> 本葉5葉展開時に(ガラス室栽培,気温25~30°C,日長15時間),第1~3節の葉を摘除し,その後の葉が完全に展張し次第順次摘除する区と,第4節までの葉を残し,第5節以上の葉は全部摘除しつづける区をつくつた場合,前者では下位の節から雌花が現われ,その総数も多く,後者では第1雌花が標準区よりやや後れ,その後の着生も少なく,総数が少ない。<br> 圃場栽培のものとガラス室栽培のものとが,未熟葉を摘除することに対して反対の結果を現わした。ガラス室では高温のため残された成葉の機能が急速に衰えたためと考えられる。<br> 完全展葉後に摘葉する場合に雌花の発現を助長するのは,摘葉が生育を弱め,生長点のauxin含量が低いことと関連していると考えられる。<br> 7.短日処理後の摘葉 未展開葉を摘除すると雌花が多く発現し成熟葉を摘除すると雌花の発現が少なかつた。<br> 8.部分短日処理 1株上で,生長点あるいは一部の葉を連続照明下におくと,他部に短日処理を施しても,雌花の発現が抑制される。温度が17°の場合には,生長点あるいは一部の葉を連続照明下においても,短日処理葉の面積に応じて雌花を発現した。<br> 9.枝別短日処理 1株上の2本の側枝の一方は短日処理し,他方は連続照明し,後者上の雌花の発現を見ると,雌花が発現した(1節)から短日処理枝からの影響が及んだことになる。連続照明枝上の成熟葉を摘除すると雌花節は1.8とややふえ,未展開葉を摘除すると0.2と減つた。短日処理枝の頂部を摘除しておいて連続照明枝の成熟葉を摘除すると雌花節は2.5とふえた。<br> 10.環状剥皮 主茎基部の環状剥皮は無効であつた。<br> 11.キュウリにおける雌花の分化は,葉が短日処理に感応してある特定の代謝産物つまり花芽形成に不可欠な物質を生成し,この物質が茎を通つてその個体上で最もauxinの多い生長点近くに移行して,生長点近くの未だ性の決定が行なわれていない花芽に作用を与えて起こるものと考えられる。しかし,この場合生長点のauxin levelが低いという条件も同時に充たされる必要があると思われる。
著者
斎藤 隆 伊東 秀夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.278-290, 1963
被引用文献数
2

キユウリの花の性の分化に関する生理的機構を明らかにする目的で, 花の性の分化に対する Gibberellin の影響について調べた。<br>1. Gibberellin 施与濃度の影響 5, 20, 50および100ppm 溶液を施与した結果, 濃度の高いほど生育が旺盛となり, 雌花の着生節位が上昇してその節数が減少し, 雄花節数が増加している。<br>2. Gibberellin 施与頻度の影響 50ppm 溶液を施与する期日の間隔を12日, 8日, 4日および2日と変えた場合および4日間隔で施与回数を2回, 4回, 6回,8回および10回と変えた場合, 施与頻度の高まるのに伴なつて生育は旺盛となり, 雄花の発現が増加し, 雌花の発現が滅少している。<br>3. Gibberellin 施与部位の影響 50ppm 溶液を施与する場合, その施与部位を生長点部のみ, 成熟葉のみ, あるいは全面と異ならしめた場合, いずれの部位に施与しても生育は促進され, 雌花の着生節位は上昇して, その節数が減少し, 雄花節数が増加している。<br>4. Gibberellin 施与時期の影響本葉0, 1, 2, 3, 4, 6, 8および10枚展開時にそれぞれ 100ppm溶液を4日間隔で2回施与した結果, いずれの時期に施与しても生育が促進され, 雌花の発現が抑えられて, 雄花が発現している。Gibberellin 施与の影響が現われる部位は, 処理時期が1期遅れるごとにそれぞれ3~5節ずつ上節位に移動して行き, いずれの時期の処理でも7~8節ずつの雄花が発現している。<br>5. かんざし苗に対する Gibberellin 施与の影響 生育が全く抑えられ, 雌花が生長点部近くまで連続して着生してかんざし状になつた苗に, Gibberellin 100ppm溶液を施与した結果, 生育が促進されて正常な発育状態に戻り, 雌花の発現が抑えられて, 雄花の発現が誘起された。<br>6. 大苗に対する Gibberellin 施与の影響 雌花が相当数連続して着生している大苗に対し, Gibberellin 100ppm 溶液を施与した結果, 無処理区では雌花を連続して発現しているのに対し, 施与区では雌花の発現を抑え, 雄花の発現を誘起した。<br>7. 短日処理感応に対する Gibberellin 施与の影響短, 日処理によつて雌花の発現が誘起されるが, 短日処理前あるいは処理中に Gibberellin 100ppm 溶液を施与すると, 雌花の発現が全く抑えられ, 短日処理の効果は全然現われない。短日処理後に施与した場合には, 雌花は発現するがその数は少ない。<br>8. Gibberellin 施与に対する品種間差異 相模半白, 加賀節成, 刈羽節成, 聖護院節成および四葉の5品種を用い, Gibberellin 50ppm 溶液を施与した結果, いずれの品種においても生育が促進され, 雌花の発現が抑えられ, 雄花の発現が助長されている。<br>9. 摘葉と Gibberellin 施与との組合わせの影響 相模半白, 落合および青葉は, 高温連続照明下では葉が存在しても第40節までは雌花が全然発現せず, 摘葉, Gibberellin 施与区ではもちろん雌花が全然発現しない。加賀節成, 刈羽節成, 聖護院節成および夏節成は, 高温連続照明下でも雌花が相当数発現するが, 摘葉処理によつて雌花の発現が著しく減少し, これに Gibberellin を施与するとさらに雌花の発現が減少する。<br>10. 花の性の分化に対する Gibberellin の作用機作<br>Gibberellin の施与量, 施与部位, 施与時期等を変えたいずれの場合も, それぞれの処理に対応して植物体の生点長部における Gibberellin 量が増加して, 植物体の生育が旺盛となり, 作用部位における花成物質の集積量が減少して雌花の分化が抑えられるものと考えられる。
著者
伊東 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.31-39, 2000-02-15
被引用文献数
3

Suffix arrayは文字列索引の一種であり,suffix treeに比べ単純でコンパクトなデータ構造を用いて実装できる.文字列処理に対して多くの優れた性質を持つsuffix arrayだが,特に大規模なテキストに対しては索引構築に多大な記憶量と計算コストを必要とし実用上の問題になっている.我々は,高速かつコンパクトなsuffix array構築法を提案する.そのキーとなるアイデアは,任意のsuffix間の関係ではなく,隣接するsuffix間の関係のみを利用する点にある.このアルゴリズムを二段階ソート法と呼ぶ.514MBの毎日新聞記事を含む様々なデータセットを用いた評価実験により,我々のアルゴリズムはQuicksortの約6倍拘束であり,また,今まで最も高速なアルゴリズムとして知られているSadakaneの方法に対し2?3倍高速であることを示す.The Suffix array is a string indexing structure and a memory efficient alternative of the suffix tree. It has myriad virtues on string processing. However, it requires large memory and computation to build suffix arrays for large texts. We propose an efficient algorithm for sorting suffixes. One of the key ideas is to use specific relationships between an adjacent suffix pair. We call this algorithm the Two-Stage Suffix Sort. Our experiments on several text data sets (including 514MB japanese newspapers) demonstrate that our algorithm is about 6 times faster than the popular sorting algorithm Quicksort, and 2 to 3 times faster than Sadakane's algorithm which is known as the fastest one.
著者
伊東 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, pp.27-34, 1999-01-20

Suffix arrayは文字列索引の一種であり、suffix treeに比べ単純でコンパクトなデータ構造で実装できる。文字列処理に対して多くの優れた性質を持つsuffix arrayだが、特に大規模なテキストに対しては索引構築に多大な記憶量と計算コストを必要とし実用上の問題なっている。我々は、高速かつコンパクトなsuffix array構築法を提案する。そのキーとなるアイデアは、任意のsuffix間の関係ではなく、隣接するsuffix間の関係のみを利用する点にある。このアルゴリズムを二段階ソート法と呼ぶ。514MBの毎日新聞記事を含む様々なデータセットを用いた評価実験により、我々のアルゴリズムはQuicksortの4.5?6.9倍高速であり、また、今までで最も高速なアルゴリズムとして知られているSadakaneの方法に対し2.5?3.6倍高速であることが示される。The Suffix array is a string indexing structure and a memory efficient alternative of the Suffix tree. It has myriad virtues on string processing. However, it requires large memory and computation to build suffix arrays for large texts. We propose an efficient algorithm for sorting suffixes. One of the key ideas is to use specific relationships between an adjacent suffix pair. We call this algorithm the Two-Stage Suffix Sort. Our experiments on several text data sets (including 514MB japanese newspapers) demonstrate that our algorithm is 4.5 to 6.9 times faster than the popular sorting algorithm Quicksort, and 2.5 to 3.6 times faster than Sadakane's algorithms which is known as the fastest one.