著者
伊福 伸介
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

申請者はカニ殻からキチン質のナノファイバーを製造することに成功している。本研究ではキチンナノファイバーの微細な形状(10ナノ)と優れた力学的強度、多彩な生体機能を活かし、ハイドロキシアパタイトと複合した骨再生のための足場材料を開発した。本材料は成形外科や歯科治療において優れた成形性・操作性を有する。また、炎症を誘発することなく骨や歯の欠損部において足場として安定に存在し再生する。治癒後は体内で消化される。そのような全くの新規の骨や歯の再生材料は、高齢化の進む現代社会において、人々の健康を増進していくだろう。
著者
伊福 伸介
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

キチンナノファイバーの簡便な調整方法を見出した。カニ殻からタンパク質と炭酸カルシウムを除去した後、酸性条件下においてグラインダーで解繊することにより調製できる。得られるナノファイバーは均一で幅が10~20ナノと極めて細く、高アスペクト比である。この方法はエビ殻にも適用可能である。また、本法はカニ殻に内包されるキチンナノファイバーをありのままの状態で単離できるため、本来の結晶構造や形状が維持されている。また、キチンナノファイバーでアクリル樹脂を補強した複合材料の作成に成功した。この複合フィルムはキチンナノファイバーのサイズ効果により透明である。また、物性に優れるキチンナノファイバーの補強効果により、アクリル樹脂の強度、弾性率を大幅に向上させ、線熱膨張係数を大幅に低下させることができた。