著者
伊藤 映 福岡 俊之 藤田 卓志 西山 聡一 渡辺 和之 田口 ひとみ
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.351-352, 1993-03-01

近年、パーソナルコンピュータはその普及のめざましいものがあるが、個人が生活のパートナーとして使うとうい点ではまだまだ、心理的にはパーソナルとはいえない状況である。我々は、コンピュータの操作性という意味での「物理的な壁」はもとより、人とコンピュータのスムーズでかつ深いコミュニケーションを阻む「心理的な壁」をも取り除いた「つき合いたくなるコンピュータ」のためのヒューマンインタフェースの研究を行っている。特に、コンピュータ上に、賢いだけでなく親しみをもって接することのできる生物のような「エージェント」を用いた対話を提案している。その研究の一環として、コンピュータの内部世界を写し出し、利用者とその世界との仲介を行う「仮想生物」というエージェントの導入を提案し、コンピュータ内の「仮想世界」に没入し、仮想生物と対話できるシステムを試作した。本稿では、試作したシステムの概要とその基本モデルの考え方、更にシステムの基盤となるプラットフォームの実現例について述べる。