著者
井関 紗代 伊藤 紀節 北神 慎司
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<br><br>マーケティングにおいて、顧客の忠誠心を獲得することは必要不可欠である。先行研究では、地域の店舗への忠誠心に影響を与える購買動機が検討され、その購買動機に対して性差が生じることが示されているが、購買時の文脈が想定されていない。本研究では、コンビニエンスストアにおいて、性別と購買動機が、地域の店舗への忠誠心に影響を与えるプロセスを、モデル化し検証した。その結果、女性は男性よりも、多くの品揃えの中から商品を選びたいと考え、目的なしに店内の商品を探求する傾向があることが明らかになった。品揃えを重視する人は情報獲得を重視し, ユニークな商品を探す傾向が強くなることもわかった。また、 商品探求をする傾向の強い人ほど、ユニーク探求, 社会的接触を重視し、利便性を重視しないことも示された。情報獲得、ユニーク探求、利便性、社会的接触を重視する人ほど店舗に対する忠誠心を高めやすいということも明らかになった。