著者
伊藤亮介 駒谷 和範 河原 達也 奥乃 博
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.14(2002-SLP-045), pp.107-112, 2003-02-07

ロボットとの音声対話をより円滑にするためには,言語的情報だけでなく話者の心的状態感情を取り扱う必要がある.本研究では,親近感,喜び,困惑の感情を対象として,WOZ 方式によって収集された子供とロボットとのリアルな対話データを用いて,韻律的特徴に基づく分析・判別を行う.特に,対話であるという状況を考慮して,それらの特徴量の発話ごとの変化量や,発話間の時間間隔を利用する.これにより,事前学習を必要としないリアルタイムな判別を可能にする.判別にはSVM 及びC により学習した決定木を用い,困惑で,喜びで,親近感での判別精度を得た.この感情判別を導入した音声対話機能を実ロボットRobovie に実装し,動作の確認を行った.
著者
伊藤亮介 駒谷 和範 河原 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2147-2154, 2002-07-15
被引用文献数
15

機器操作マニュアルの検索に音声対話インタフェースを適用することで,ユーザフレンドリなヘルプシステムを構築する.本システムでは,まずユーザに自由な発話による検索を許し,キーワード集合を基にマニュアルの項目とマッチングを行うが,この段階では多数の候補が得られる.そこで,機器操作マニュアルから抽出される知識と階層的な構造を利用して対話を行うことにより,ユーザの意図を詳細化し検索結果を絞り込む.効率的に絞り込む質問を生成するために,マニュアルのディレクトリ構造を利用し,3種類のコスト関数を定義した.ビデオデッキのマニュアルに関して14人の被験者に対して実験を行った結果,本対話戦略によってシステムからの質問回数は,単純に尤度の高い候補から確認発話を行う戦略に比べて71%に減少した.We present a user-friendly help system for electrical appliances with speech interface that makes queries to their manuals.Users can make queries by unconstrained speech, from which keywords are extracted and matched to the items in the manual.As a result, so many items are usually obtained.Thus, we introduce an effective dialogue strategy which narrows down the items using a tree structure extracted from the manual.We present three cost functions that minimize the number of dialogue turns.We have evaluated the system performance with 14 subjects on VTR manual task.The number of average dialogue turns is reduced to 71% using our strategy compared with a conventional method that makes confirmation in turn according to the matching likelihood.