著者
佐々木 勇人 濱上 知樹
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.2, pp.68-78, 2019-02-01

本論文は検出問題におけるcost-sensitive learningに関して,検出率と偽陽性率のトレードオフを陽に扱うための学習アルゴリズムを提案する.一般的にcost-sensitive learningでは偽陽性及び偽陰性の検出に対して罰則値をあらかじめ定める必要があるが,検出対象の性質や正例データ・負例データ間の偏りに応じて適切な罰則値は変化する.そこで本論文ではBoostingの各ステップにおいて適応的にしきい値を調整することにより罰則値を間接的に決定する.この手法により偽陽性率を固定しながら検出率を最適化することが可能となり,検出率と偽陽性率のトレードオフを陽に扱うことが可能となる.更に,このトレードオフを扱う必要のある実問題として精子検出に関する評価を行い,提案手法の有効性を明らかにした.