著者
生田 克哉 佐々木 勝則 伊藤 巧
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、鉄過剰による造血障害や鉄キレートによる造血回復の機序を、鉄過剰状態で血液中に出現する非トランスフェリン結合鉄(NTBI)の関与を含めて明らかにする目的で行った。骨髄鉄沈着、血清鉄とフェリチン上昇、さらにNTBI増加、および造血障害を呈する鉄過剰モデルマウスを作成し、このモデルに鉄キレートを行った群も作成した。骨髄細胞の網羅的遺伝子解析の比較から、糖代謝のTCA回路に関与するACO1やIDH遺伝子発現が鉄過剰に応じて亢進していることが判明した。さらに2-HG増加やDNAメチル化亢進も確認できた。鉄過剰によるこれらの変化が造血障害や白血化をきたす機序の一端を説明できる結果を得たと考えた。
著者
千葉 眞子 佐々木 勝則 水上 裕輔
出版者
医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

がんが発育・進展する過程において、原発巣が引き起こす全身的な撹乱刺激による間質細胞の活性化が見られることに着目し、非侵襲的に採取が可能な毛根細胞に備わっているであろう「がんセンサー機能」を利用したスクリーニング法を発案した。本研究課題では、大腸癌患者を対象に、毛根細胞の遺伝子発現を網羅解析し、癌患者特異的な発現変化の見られる遺伝子群を見いだした。このような発現プロファイルは革新的ながんスクリーニングの基盤情報となることが期待され、大規模な臨床研究への展開を行う必要がある。