著者
佐々木 孝輔 平田 章 井上 智雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.260-269, 2016-01-15

イラストは,読者を引きつけると同時に文書などの可読性を高めることができるが,だれでも作成できるものではないため,需要が大きいコンテンツの1つである.従来,高品質かつ高価格で,イラストを必要とするクライアントの要望に応じ最適なイラストがプロのイラストレータによって提供されてきた.これに対して本研究では,クライアントの要望に則したイラストを描画能力を問わない複数人で作成することを目的とし,線画イラスト作成をマイクロタスク化し,それをクラウドソーシングにより実行する線画イラスト生成手法を考案した.本手法では1枚の写真を原図とし,複数の一般ワーカが原図を見ながら少しずつ線を描き加えることで,1枚の線画を生成する.本手法による線画イラスト生成の実験から,実際に線画イラスト生成が可能であることが確認できた.Illustration is a key factor to attract document readers. However not everybody can make it in good quality. Thus illustration has high demand. Although conventionally clients request skilled creators to draw illustrations with good rewards, there exists huge needs for less expensive illustrations. We propose a novel method of generating such illustrations by crowd-sourced microtasks. In this method, a basic drawing is generated by unskilled crowd workers from one photograph. Experimentation to study the feasibility of the proposed method indicated positive result.
著者
佐々木 孝輔 林 勇吾 井上 智雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.53, pp.1-8, 2014-03-06

プログラミング学習手法の 1 つに,コーディングを行う Driver と,Driver に対してアドバイス等を行う Navigator の役割に分かれて作業を進めるペアプログラミングがある.このペアプログラミングにおける学習者の行動および会話と,学習の成否については関係性があることが報告されている.本研究では分散同期環境を想定した,テキストチャットを用いるペアプログラミング支援システムを開発するため,音声対話における行動および会話と学習の成否についての関係性がテキスト対話においても認められるかを検証する実験を行った.その結果,Driver が課題において発生するエラーを解決するために要する時間が長くなるほど,2 者のテキスト対話後における Driver のコーディング動作の頻度,および両者によるチャットの頻度が減少することが判明した.また本研究では,この結果を生かしたシステム開発の指針についても言及する.