著者
佐々木 定
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.222-226, 2000-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19

ここ数年, 清酒業界では, 商品の多様化, ブランドの差別化などの目的で酒造用原料米の新品種の開発, 復古米の試みが各地で盛んに行われている。酒造用原料米晶種である「神力」は, 昭和10年頃まで西日本各地で清酒醸造用に広く使用されていたものの, その後廃れてしまっていた。このほど熊本県で復活したので, この間の事情について解説していただいた。
著者
佐々木 定
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.198-206, 2006-04-15
参考文献数
17
被引用文献数
1

長期間低迷してきた日本酒の需要は, 最近になって回復の兆しが見えつつある。この機会を捉え需要回復へつなげるため, 消費者ニーズに合った味わいの日本酒を提供する必要性を説き, その具体策として, 全国新酒鑑評会の在り方, 美味しいと思われるような旨味のあるお酒の提供などについて述べられている。また, わが国の総人口の減少, 高齢社会など, 人口問題を要因とする市場構造の急速な変化への対応についても提言されている。
著者
佐々木 定
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.84-91, 2005

日本経済に明るい見通しを期待する発表が出始めているが, 酒類業界においては酒類の総消費数量が減少傾向を示しており, 消費の伸びが期待できない材料が多く見受けられる。<BR>そこで, 総務省の家計調査を基に消費者の嗜好の変化や消費行動などについて分析を試みたところ, 若者の酒離れ, 低価格商品へのシフトといった傾向が顕著となっている。<BR>将来に向かって酒類市場が縮小していくと思われる中で, 流通を含めた酒類業界全体で業界構造を見直し, 低価格商品への依存から脱却して, 収益を重視した取り組みを考える時期が来ていると提唱している。
著者
佐々木 定
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.10, pp.720-725, 2007

日本酒復活のために次の提言がなされた。<BR>・酒税法改正に潜む製造技術的な問題点を指摘した上で米を原料とした醸造酒の原点に戻り, これからの日本酒は「旨味」の研究を行うべき。<BR>・鑑評会の酒質に関し「売れる酒」,「飲んで旨い酒」,「味吟醸」が入賞出来るような審査基準を設けるべき。<BR>・紙パック商品の低価格競争に歯止めをかける必要がある。<BR>醸造技術者として長年官界, 業界に身を置いてこられた筆者の提言は傾聴に値する。