著者
角野 猛 佐久間 久仁子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.118-124, 1983-02-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

保存料 (安息香酸ナトリウム, ソルビン酸カリウム, デヒドロ酢酸ナトリウムおよびプロピオン酸ナトリウム) およびグリシンの, 腸内細菌 (S. enteritidis, E. coli, C. freundii, K. aerogenes, P. vulgaris, E. cloacaeおよびS. liquefaciens) の発育抑調作用に対する供試培地の pHおよび薬剤濃度の影響を調べて, 次の知見を得た.1) 保存料の誘導期および発育菌量に及ぼす影響は, pH5>6>7の順に強かった.2) P.vulgarisは安息香酸ナトリウムおよびデヒドロ酢酸ナトリウムに対して, S. liquefaciensはソルビン酸カリウムに対して強い抵抗性を示した.K. aerogenes, はいずれの保存料に対しても抵抗性が弱かった.3) グリシンの誘導期および発育菌量に及ぼす影響はpH8>7>6の順に強かった.4) グリシンに対して (S. enteritidis, E. coli K. aerogenesおよびE.clacaeは抵抗性が弱かった.