著者
佐久間 智広 新井 康平 妹尾 剛好 末松 栄一郎
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.76-86, 2015 (Released:2017-04-17)

財務・非財務指標のそれぞれで投資とその効果の因果関係をマネジャーに明示することが,複数の投資案への資源配分の意思決定にどのような影響を与えるのかを検証した。学部学生を被験者とした実験室実験の結果,非財務指標による因果関係の明示が,投資から効果発現までのタイムラグがある投資案への資源配分の意思決定を改善することが示された。一方で,財務指標では意思決定は改善されなかった。
著者
佐久間 智広
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.27-46, 2016-03-31 (Released:2019-03-31)

本研究の目的は,ビジネスユニットのマネジャーの個人差が自身のユニットの業績に与える影響を検証することにある.経営者やマネジャーが誰であるかによって意思決定が異なり,その結果として業績も異なるということは,多くの企業実務や経営学の研究において前提となっている.しかしながら,マネジャーが誰であるかによって担当するビジネスユニットの業績にどの程度の違いが生じるのかについて,理論的予測は必ずしも一貫しておらず,実証的な証拠も示されていない.そこで本研究では,株式会社ドンクにおける店舗別の財務・人事データを用いて,マネジャーの個人差が組織業績に与える影響の有無とその大きさを推定した.検証の結果,マネジャーの個人差は,ビジネスユニットの業績に対して経済的に重要な影響を与えるということを発見した.加えて,推定された個人差は,マネジャーのキャリア,年齢の違いと有意に関係していることを発見した.