著者
佐久間 直緒美 名倉 秀子 山本 茂
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.327-335, 2021 (Released:2021-06-01)
参考文献数
27

文部科学省から『栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育』が2017年3月に交付され、全国で食育が推進されている。本研究は、栄養教諭が行った担任への食育サポートによる効果を検証することを目的とした。対象は児童数約600人、一般級担任(以下、担任)18人の小学校とし、栄養教諭が業務上作成した記録簿の食育に関する項目について、2014年度から3年間を調査した。意欲的に食育に取り組んだ担任数は、2015年度の3人(16.7%)から2016年度の11人(61.1%)と有意に増加した(p<0.01)。異動の無かった12人のうち、食に関する指導実践「有り」の担任数は、2014年度の2人(16.7%)が2016年度に12人(100%)と有意に増加した(p<0.001)。また、同担任の学級残食率2%以下は、2014年度の1人(8.3%)が2016年度に11人(91.7%)と有意に増加した(p<0.001)。栄養教諭が担任に食育サポー トしたことにより、意欲的に食育を行う担任数と食に関する指導実践担任数が増加し、給食の残食率が減少することが明らかになった。