著者
中村 一樹 大田 佳奈 佐伯 友夏里
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_909-I_917, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
31

近年開発が進むVR技術や生理評価手法は,体感型の評価ツールとして,多様なルート環境を動学的に評価することを可能としている.そこで本研究では,体感型評価ツールを用いた歩行ルート評価の基礎的分析を行い,その特徴を整理することを目的とする.まず,VRと生理指標による空間評価手法について文献レビューを行い,歩行空間評価における体感型評価の可能性を整理した.そして,基礎的な実験によりこの可能性を例証するため,VRの視覚ツールとしての特徴を把握し,ケーススタディ地区においてVRと心拍による歩行ルート評価結果を比較した.この結果,VR評価と心拍評価で新たな歩行空間評価の可能性を示す整合的な結果が見られ,これらの組合せ評価の潜在的な有用性が確認された.