著者
八藤後 忠夫 斉藤 修平 佐藤 和平 岡本 紋弥
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.239-249, 2017-03-30

すでに廃止された学校宿直業務の体験者を対象とする聞き書きをもとに,現在の学校教育にかかわる示唆的部分を抽出し検討した.以下のような結果が得られた.1)宿直が副業的な業務でありながらも付加価値的に教員間や地域との豊かな交流を保障していたこと.2)宿直廃止後には地域性の変貌とともに教育改革や課外活動の業務が肥大し,教員の負担度や疲弊性を増しつつあること.その傾向は教員の疲弊性に加えメンタルヘルスの危機的情況にも繋がっていると推察されること.3)宿直業務当時における教員の“地域や学校全体を含む交流と憩いの場”の再構築が望まれるが,この課題克服に関しては教育労働の本質的検討と行政による学校教育実践上のシステム転換の検討が不可欠であると推察されること.
著者
八藤後 忠夫 斎藤 修平 青木 純一 岡本 紋弥 佐藤 和平
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.189-194, 2016-03-30

聞き書きによる学校宿直廃止直前時の情況把握の結果,以下のことが推察された.1)この時期は,地域がそれ以前以上に学校・教師に接近し,その一体化が行われた.2)学校の地域からの信頼感は残存しており,それゆえ教師間の繋がりも公的・私的に混在し相補的な関係を継続していた.3)その傾向がこの時期の宿直という時空間に投影されている.