著者
鳴海 拓志 佐藤 宗彦 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.311-316, 2010-01-14

味覚は,化学的信号の組み合わせからだけではなく,温度や食感,視覚,嗅覚,記憶といったようなさまざまな要素の組み合わせから認識される.このような複雑さをもつゆえに,これまで味覚情報を提示するディスプレイに関してはあまり研究がなされてこなかった.一方でこのような味覚の特性を利用し,正確な化学信号の組み合わせを実現するのではなく,化学的信号とその他の刺激を同時に提示することで味覚を提示するアプローチを取ることも考えられる.本研究では,視覚と味覚のクロスモダリティを利用した味覚ディスプレイとして,LED光源を用いて飲料の色を変化させることで,飲料を飲む人が感じる味を変化させる手法について検討をおこなった.本発表では,そのような味覚ディスプレイの評価実験と,インタラクションを取り入れることによる応用の可能性について報告する.