著者
佐藤 快信 Yoshinobu Sato 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部福祉コミュニティ学科 Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-7,

これまでの地域づくりにおける課題として,行政主導によって策定され住民などの意思の反映が充分でなかったこと,生活空間と策定される圏域のずれが生じてきていることなどをあげ,今後の地域づくりでは,地域特性を生かしながら地域間の連携が効果的であり,基盤整備を充分おこなうことと並行して地域連携を活かした活性化を図る方向性を示した。そうしたなかで,地域資源を如何に活用するかという連携を含めた視点からエコミュージアムの手法が有効であることを示唆し,今後の地域づくりの改革の方向性として重要と考えられる指標の意義とその方向性について,アウトカム指標の導入と住民参画の必要性を示した。
著者
入江 詩子 佐藤 快信 菅原 良子
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要 (ISSN:13481142)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.51-62, 2007-03-31

ボランティア活動への参加の動機やきっかけも、従来の自己犠牲的あるいは献身的な動機から、自身の充実感とそれに付随した楽しみや喜びが主流になってきている。ただし、そこには自己満足的な独りよがりなボランティアを生む危険性が存在している。ボランティア活動そのものが学びであり、ボランティア活動の目的が自己実現であり、活動そのものは手段で、学習の成果の還元・活用・発展としてのボランティア活動がある。学習の成果を社会に還元するという行為は、社会貢献であり、自己が社会的に認知され、自己のアイデンティティを確立することにつながるのである。この点において、生涯学習とボランティアは結びつき、共に自発性という本質的なところで両者は結びつく。まちづくりの視点でみた場合、市民リテラシー(市民としての意識)の醸成をどのように形成していくかということは重要な課題で、先の生涯学習とボランティアの関係性はその初期段階を形成する意味で有効な手法といえよう。また、独りよがりにならない、押し付けにならないボランティア活動を展開する上でも市民リテラシーを持つことが重要である。以上のことをふまえ、市民として社会参画していく手段としてボランティア活動を位置づけた場合、「ボランティアをしたい」という意思を持つ人やグループなどとボランティア活動を受けたいとする人または組織集団との間にたって、それらニーズを充足するために必要な支援をおこなう介在者・媒介者としての担い手または組織が必要になってくる。ボランティアコーディネーターには、ボランディア活動を地域とつながったまちづくりという線上に位置づけながら関わること、高齢者、若者、子どもの生活スタイル、商業施設や企業、事務所の日常生活をまちづくりに反映させ、生活を中心においたまちづくりを創造していくことを意識することが求められる。