著者
比屋根 哲 佐藤 晴美 青井 俊樹
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.17-24, 2001
参考文献数
12

本研究は,苫小牧演習林における1980年代以降の演習林の市民への開放の取り組みについて,演習林利用者や一般市民へのアンケート調査ならびに聞き取り調査をもとにして,市民の演習林に対する認知度や演習林の市民開放の取り組みに対する意識や要望について把握し,今後の演習林の課題等について検討したものである。検討の結果,苫小牧演習林は市民の認知度が極めて高く,市民は演習林の市民開放の取り組みを好意的に受けとめていることがわかった。また,演習林利用者のマナーが次第に向上し,演習林職員との触れ合いが利用者のゴミ拾いの活動等に結びつく事例も認められた。これらのことから,一般市民への森林の開放は,森林管理を考える上でプラスの側面が十分に期待でき,その際には森林管理者との交流が重要であると考えられた。