- 著者
-
齊藤 正和
佐藤 智秋
後藤 真希
坂本 薫
宮本 みづ江
田畑 陽一郎
伊東 春樹
- 出版者
- 一般社団法人 日本透析医学会
- 雑誌
- 日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.7, pp.421-426, 2014 (Released:2014-08-02)
- 参考文献数
- 26
【目的】外来血液透析 (HD) 患者の身体活動量に関連する因子を検討するとともに, HD施設までの通院方法と身体活動量および身体機能との関連について検討した. 【方法】外来HD患者53例 (男性34例, 女性19例, 平均年齢62±13歳) を対象とし, 基本情報, 合併症の重症度指標であるComorbidity Index, 栄養状態の指標であるGeriatric Nutrition Risk Index (GNRI), 身体機能の指標であるHD患者移動動作評価表, 身体活動量の指標であるLife Space Assessment (LSA) を調査した. 各調査項目とLSA得点との相関係数を算出し, LSA得点と有意な相関関係を示した因子を独立変数, LSA得点を従属変数とした重回帰分析を実施した. また, HD施設までの通院方法により通院自立, 送迎 (歩行) および送迎 (車いす) に分類し, HD施設まで通院が自立しているか否かを予測するLSA得点ならびに移動動作得点のカットオフ値をROC曲線より決定した. 【結果】LAS得点と有意な相関を認めた因子は年齢, GNRI, 透析期間, Comorbidity Index, 移動動作得点であり (p<0.05), LSA得点の規定因子として身体機能および年齢が抽出された (R2=0.54, p<0.01). また, 通院自立, 送迎 (歩行), 送迎 (車いす) の順で移動動作得点およびLSA得点は有意に低値を示し (p<0.05), HD施設までの通院方法が自立か否かを規定するLSA得点は, 63点 (ACU : 0.861, p<0.01, 95%CI 0.760-0.962), 移動動作得点は, 44点であった (ACU : 0.912, p<0.01, 95%CI 0.835-0.990). 【結語】HD血液透析患者の身体活動量の規定因子として, 年齢ならびに移動動作能力が抽出された.