著者
高橋 美登梨 佐藤 百恵 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.411-418, 2020 (Released:2020-07-18)
参考文献数
13

本研究では, 若年女性におけるブラジャーのサイズ選択の実態を検証した. 56名 (平均21.7歳) を被験者とし, 基本身体寸法に基づくサイズ, 被験者が日常的に着用しているサイズ, 販売員の資格を持つ者 (評価者) が選定したサイズの比較をするとともに, サイズ選択に関わる要因についてつけ心地と外観より考察した. 得られた結果を以下に示す. (1) 被験者の基本身体寸法によるサイズは, 被験者が着用しているサイズおよび評価者が選定したサイズと一致する割合が低く, サイズの選択にはつけ心地や外観といったフィット性が影響するといえる. 基本身体寸法からは乳房の左右差, 形状等の推定が難しいため, フィット性を重視したサイズと差異が生じることが示唆された. (2) 被験者が着用しているサイズと評価者が選定したサイズは, 約40%が一致とみなせた. 一致していない場合, 被験者はカップ体型を小さく認識していることが示された. (3) 被験者が日常的に着用しているサイズに対して, 評価者はブラジャーのカップ上部や脇が身体に食い込んでいると評価していた. また, 評価者が適切なフィット性であると評価したサイズは, 被験者にとってカップ上部の浮きを感じさせることが示された.