著者
小野寺 裕美 川瀬 豊 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.26, 2007 (Released:2008-02-26)

(目的)日本女性への普及率がほぼ100%であるブラジャーは、多くの小パーツから構成される繊細なものであるが、一般にどのように取り扱われているのかは明らかにされていない。また、手入れの違いがブラジャーにどのように作用するかの研究もごくわずかである。本研究では、若年女性を対象にブラジャーの使用実態を把握し、理想的な取り扱い方を提示することを目的とする。 (方法)若年女子のブラジャーの使用状況のアンケート結果をもとに、5の銘柄・4段階の洗濯方法を用い、未使用を含む25枚のサンプルを作成し、性能比較(寸法変化・引っ張り伸長特性・表面状態観察)と外観官能検査を行った。顕著な違いの認められた2段階のサンプル10枚については着用官能検査を行った。 (結果)性能比較の結果、ネットの有無に関わらず洗濯機普通コースのサンプルでは、ワイヤー及びカップに形状変化が見られた。手洗いコースのサンプルは外観において未使用サンプルとの差が認められなかった。外観官能検査において、7割の被験者が手洗いコースまでは使うと判断していたことからも、ブラジャーはワイヤー及びカップの形状が使用の可否を決める判断基準となっており、形状を保つためには手洗いが必須であると言える。また、安価な銘柄ほど洗濯による影響が顕著に見られ、デザイン重視で購入しがちな安価なブラジャーにこそ入念な手入れが必要である。着用官能検査では、手洗いのものが全般的に普通コースで調整したサンプルよりも高評価となり、シルエットに関する項目では有意差が認められた。
著者
川端 博子 秋廣 ひとみ 吉澤 知佐
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.153-161, 2009-02-15

快適な空調環境と発汗を伴う暑熱環境を想定した状況下で,サマーウールのワンピースの下に着用する裏地キャミソールを例とする着用試験をもとに春夏向け衣料にふさわしい裏地に関する知見を得た.(1)ウール素材のワンピースの着用試験から,快適環境下では,裏地キャミソールを使用することによって肌触りとやわらかさを向上させ,快適感を高めることが明らかとなった.しかし,発汗の生じる暑熱環境下では,貼りつきや蒸れ感が高まり,快適感は低下する傾向がみられた.(2)付与水量を違えた裏地の貼りつき抵抗試験から,フィラメント無撚糸で構成される平滑な一般裏地では,貼りつき抵抗は大きくなるが,擬麻加工糸やスパン糸のもので抵抗は小さいことが示された.(3)着用評価から,空調された快適な環境下で発汗のない場合にはやわらかく,肌触りがよく,吸湿性のよい一般型のキュプラ裏地のキャミソールが好まれた.一方,暑熱環境で発汗のある状態では,貼りつき感の小さい裏地キャミソールの評価が高く,擬麻加工糸やスパン糸で構成される凹凸のある裏地がふさわしいことが明らかとなった.中でも,スパン糸のキュプラ裏地では,2環境下での快適性評価に有意な差はみられず,発汗の有無に関わらずともに高い評価が得られた.
著者
大塚 美智子 森 由紀 持丸 正明 渡邊 敬子 小山 京子 石垣 理子 雙田 珠己 田中 早苗 中村 邦子 土肥 麻佐子 原田 妙子 小柴 朋子 滝澤 愛 布施谷 節子 鳴海 多恵子 高部 啓子 河内 真紀子 増田 智恵 川端 博子 薩本 弥生 猪又 美栄子 川上 梅 渡部 旬子 倉 みゆき 丸田 直美 十一 玲子 伊藤 海織 角田 千枝 森下 あおい 上西 朋子 武本 歩未
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2014~2016年に関東、関西、中部、中国、九州地区で3200名、約50項目の日本人成人男女の人体計測を行い、マルチン計測による3200名と三次元計測による2000名のデータベースを構築した。これにより、アパレル市場の活性化と国際化が期待でき、JIS改訂の根拠データが得られた。人体計測データの分析の結果、現代日本人は20年前に比べ身長が高く、四肢が長いことが明らかになった。また、若年男子のヒップの減少と中高年成人女子におけるBMIの減少が顕著であった。
著者
塩原 みゆき 榊原 沙耶 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.148-154, 2015-02-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
7

UV加工を施したストッキング類が市販されているが,これら伸縮性のある商品の着用時の効果については明らかではない.本研究では,伸縮性のあるアイテムのうち,ストッキングとタイツについて,着用時のUV防御能を持つ条件を調べた.試料を脚部ボディに履かせ,「足首」「ふくらはぎ」「大腿部」の3か所から直接,着用時のサンプルを採取し,透過率,UPF,空隙率を測定した.着用時に伸張するストッキングやタイツ類のUV防御能には空隙率が大きく影響し,空隙率が大きいほどUV防御能は低下した.ストッキングでは糸が細く空隙率が大きいため,UV防御能を有せず,UV加工を施しても効果が認められないことが分かった.タイツでは,空隙率が大きくなると色相よりも明度の影響を受け,明度が低いほどUV防御能が高い.黒色の場合は,空隙率が10%以下であればUV防御能を有することが分かった.また,タイツのUV防御能はデニールではなく重さと相関があることが確認された.
著者
川端 博子 松本 あゆみ 吉澤 知佐
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.139-146, 2007
参考文献数
7

セミフレアスカートにおける裏地の効果について,着用評価とスカートの裾線形状から追究した.3種の裏地(キュプラ,差別化ポリエステル,ポリエステル一般裏地)に,2種の異なるパターン(スカートと同型でフレア状に裁断したものと脇スリット入りのストレートな形状のもの)を組み合わせた6枚のスカートについてテストした.13人の女子学生が着用評価を行った結果,フレア形状の裏地をつけたスカートは快適と感じられ,中でも動作性に優れていた.また,キュプラ裏地のものは肌ざわりにおいて他より優れていた.動作分析法により,マネキンに着せたスカートの裾線の形状を静的・動的状態で観察した.静的状態においてフレア形状の裏地のスカートの裾面積は大きく,かつ裾線形状は左右対称であった.スカートの動きの観察から,フレア形状の裏地のスカートは裾面積および裾の移動距離が大きかった.また,フレア形状の裏地のスカートでは表地と裏地の間隙が少なく,一体となって動く様子が捉えられておりこのことも動作性を高める要因と考えられる.キュプラ裏地のものは裾面積が小さく広がりの少ない形状を呈したが,もっとも移動量が多く躍動感のある動きを示していた.このことは裏地のかたさと動的振動係数とかかわると推察される.これらのことから,スカートの快適性と形状は裏地のパターンと種類の両方から影響を受けることが明らかとなった.
著者
林 隆子 川端 博子 石川 尚子 大久保 みたみ 大関 政康 大竹 美登利 唐沢 恵子 斉藤 浩子 高崎 禎子 武田 紀久子 山形 昭衛
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.361-369, 1992

高齢者を対象とする日常着についての調査より, 高齢者の衣服の着方について以下のような特徴がみられた.<BR>(1) 男性は, 上半身に肌着シャツ, 外衣シャツ, ジャケットかジャンパーの着用が一般的であるが, 5・6月ごろの気温の変化には, 肌着シャツの重ね着で対応していることがわかった.下半身には, パンツ, ズボン下にズボンを着用している.<BR>(2) 女性は, 上半身に肌着シャツ, ブラウス, セーター類を着用している例が最も多かった.上半身用衣服には前あき型で七分袖のものが多く, 肌着シャツの重ね着は男子と同様であった.また, 下半身には, パンツ, 長パンツやズボン下そしてズボンかスカートを着用している.夏に向けてスカート・ワンピースの着用が増すが, パンツ類の着用は依然として多く, 足腰の冷えと着衣の関連性をうかがわせる結果であった.また, 服種は男性のものにくらべ女性のほうが多い.<BR>(3) 高齢者用衣服の素材には, 下着類に綿, 外衣に化学繊維が多く使用され, 天然繊維を志向する若者と対照的である.素材に関する知識は一般に低かった.<BR>(4) 着衣の種類より推定した衣服の熱抵抗と衣服重量より, 高齢者は, 若者にくらべ厚着の傾向がみられるが, 衣服の着方に個人差が大きい.<BR>以上の結果より, 高齢者のよりよい衣生活をめざして次のような点が望まれる.<BR>服種の多様化 : 高齢者の日常着の種類をみるとき, 男性では, ジャケットやジャンパーの着用が多い.それにくらべて女性はカジュアルなセーター類の着用が多い.男性は, 習慣的に外出用としてこの種の衣服を着用していると考えられるが, 家庭内ばかりでなく近所等に出かけるときにも, 軽量で伸縮性に富む衣服の着用が勧められる.女性については, 若年者にくらべ衣服の種類が少ないが, 夏になるとスカートやワンピースの着用者も増えるなどおしゃれに無関心でないことが推察される.そこで, ファッション性を取り入れた衣服の供給が望まれる.たとえばキュロットスカートなどは活動がしやすい衣服の例として考えられる.<BR>衣服の着方と形・素材の工夫 : 男女とも, 体温調節のため厚着傾向の人が多数を占めていたが, 少ない枚数でも重ね着をすると同効果が得られるような衣服, とくに下着類の充実が求められる.すなわち, 腰, ひざやひじの冷えを防ぐよう局所的に厚手のものにするなど構成と形の工夫, 熱抵抗性の高い布素材の利用, また, 重ね着をしても活動に支障をきたさないような伸縮性素材の使用などが考えられる.一方で着衣の量に個人差が大きいことから, 季節を問わず, 保温性の高いものから低いものまで多種多様な衣服の供給が望まれる.<BR>表示の改善 : 素材についての知識は一般に低いので, 組成や洗濯表示を見やすく, わかりやすい大きさで表示されるよう改善を促す必要がある.
著者
川端 博子 日景 弥生 鳴海 多恵子
出版者
日本衣服学会
雑誌
日本衣服学会誌 (ISSN:09105778)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.99-107, 2004 (Released:2021-08-19)
参考文献数
6
被引用文献数
2

We conducted a survey on self-evaluations of skillfulness and attendance in daily activities for private high school students in Tokyo. We also conducted a threads-tying test to determine functional degrees of fingers and hands. We analyzed how skill or lack of skill in using fingers and hands and self-evaluations of skillfulness related to attitudes in daily activities and consciousness towards practical classes. The results are as follows :1. Only about 30% of the high school students evaluated themselves skillful in fingers and hands. They tended to have less confidence about their skillfulness in fingers and hands.2. Analyzing the attitudes in daily activities and reasons, related to self-evaluation of skillfulness, confidence about skillfulness had a relation with positive attendance in daily activities and marks/grades at practical classes.3. The girl students achieved more on threads-tying test than the boy students, which was considered to have relation with the frequency in using fingers and hands in daily activities.4. Self-evaluation of skillfulness did not necessarily coincide with actual skillfulness determined by the test. The sample was divided into the four groups ; skillful, over-estimate, under-estimate and unskillful groups. Considering the characteristic of each group, matters to be paid attention to in educational method in practical classes including sewing class were discussed.
著者
川端 博子 藤田 佳穂 吉澤 知佐
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.514-522, 2020 (Released:2020-09-02)
参考文献数
7

ジャケットの裏地の用い方が, 動作機能面での快適性に及ぼす影響について考察することを目的とし, ジャケットの着用感評価と衣服圧計測を行った. Mサイズの4枚のジャケット (素材と伸び率の異なる裏地をつけた3枚と裏地なし) で, 裏地の効果を比較した. 次に, MとSサイズのジャケットの着用実験より, 動作性を維持する裏地の条件について考察した. 結果は, 以下のとおりである. (1) 裏地なしジャケットでは衣服圧は最も低いにもかかわらず, 動作のしやすさ, 着脱のしやすさ, 質感のよさで裏地つきのジャケットより評価が低かった. (2) Mサイズで裏地違いの3枚のジャケットの比較より, 柔らかく平滑なキュプラレギュラー裏地のジャケットでは, 衣服圧の低減とともにすべりの良さ, 動きやすさで高い評価が得られた. ポリエステルストレッチ裏地を用いたジャケットの評価が低かったのは, 伸長性よりも袖すべりのよさが動きやすさに効果を与えるためと考えられる. (3) キュプラレギュラー裏地のSサイズジャケットとポリエステル裏地のMサイズのジャケットには, 着用感評価と衣服圧に差は見られなかった. ジャケットの動作快適性を維持し, 衣服圧を抑えるには, 伸縮性よりもすべりがよくせん断特性の小さい裏地の使用がふさわしいことが明らかとなった.
著者
扇澤 美千子 川野 裕子 川端 博子 Michiko Ougizawa Yuko Kawano Hiroko Kawabata 茨城キリスト教大学生活科学部 埼玉大学教育学部 埼玉大学教育学部
出版者
茨城キリスト教大学
雑誌
茨城キリスト教大学紀要 1 人文科学 (ISSN:13426362)
巻号頁・発行日
no.41, pp.13-25, 2007

In this study, the questionnaire survey for slimming intention and body size, self-acceptance, self-confidence, and clothing behavior was conducted on 444 young female. We considered how intention towards body slimming was related to self-consciousness and clothing behavior, based on comparison between groups with higher and lower consciousness towards slimming. The results were as follows: (1) 87% female hoped to be slender and their ideal figure was extremely thin. Even in the higher slimming intention group, 90 percent or more belonged to thin or standard level in medical body mass index. They hoped to lose more weight and to be thinner especially in the lower part of their bodies. (2) Higher slimming intention group answered in the negative for self-acceptance, and tendency to lack in independency and confidence could be seen in their Cinderella complex questionnaire results. (3) Analysis on clothing expenses and purchase frequency showed that higher slimming intention group had stronger interest in clothing, were more ingenious in trying to look thinner and that this intention led them to gain more psychological stability. As a result, we conclude that slimming intention is now widely accepted in the modern society for the reasons that being thinner and wearing smartly lead to self-acceptance, self-confidence and mental stability.
著者
山本 直佳 川端 博子 小柴 朋子 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.606-613, 2016

<p><tt>本研究は,がん治療の副作用である脱毛時に利用される医療用ウィッグの温熱特性を明らかにすることを目的とする.サーマルマネキンによる</tt>6 <tt>つのショートヘアスタイルのウィッグの熱抵抗を計測した.あわせて剃髪した</tt>10 <tt>名の男性被験者による夏季を想定した環境下でウィッグを着用し,快適感とウィッグ内温度と湿度を計測した.結果は以下の通りである.</tt> (1) <tt>顕熱抵抗値は</tt>0.06<tt>(℃・</tt>m²/W<tt>)前後で,ウィッグ間の差は少なかった.潜熱抵抗値は</tt>0.07<tt>(</tt>kPa<tt>・</tt>m²/W<tt>)前後で,人工毛の割合が多くなると高くなる傾向を示した. </tt>(2) <tt>発汗を想定した人工気候室での静止時の着用実験では,</tt>10 <tt>人中</tt>9 <tt>人が頭部に暑さを感じ,</tt>8 <tt>人が蒸れを感じていた.この間のウィッグ内温度は</tt>36.5<tt>℃,湿度は</tt>80<tt>%</tt>RH <tt>であった.</tt></p>
著者
高橋 美登梨 佐藤 百恵 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.411-418, 2020 (Released:2020-07-18)
参考文献数
13

本研究では, 若年女性におけるブラジャーのサイズ選択の実態を検証した. 56名 (平均21.7歳) を被験者とし, 基本身体寸法に基づくサイズ, 被験者が日常的に着用しているサイズ, 販売員の資格を持つ者 (評価者) が選定したサイズの比較をするとともに, サイズ選択に関わる要因についてつけ心地と外観より考察した. 得られた結果を以下に示す. (1) 被験者の基本身体寸法によるサイズは, 被験者が着用しているサイズおよび評価者が選定したサイズと一致する割合が低く, サイズの選択にはつけ心地や外観といったフィット性が影響するといえる. 基本身体寸法からは乳房の左右差, 形状等の推定が難しいため, フィット性を重視したサイズと差異が生じることが示唆された. (2) 被験者が着用しているサイズと評価者が選定したサイズは, 約40%が一致とみなせた. 一致していない場合, 被験者はカップ体型を小さく認識していることが示された. (3) 被験者が日常的に着用しているサイズに対して, 評価者はブラジャーのカップ上部や脇が身体に食い込んでいると評価していた. また, 評価者が適切なフィット性であると評価したサイズは, 被験者にとってカップ上部の浮きを感じさせることが示された.
著者
塩原 みゆき 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.732-738, 2019-09-25 (Released:2019-09-25)
参考文献数
4

先行研究では,ストッキングあるいはタイツ単独で,着用による空隙率の増加によって,UV 防御を完璧に行うことが出来ないことが明らかとなったため,本研究では,サンスクリーン剤併用でのレッグウエアのUV 防御能を調べた.サンスクリーン剤単独では,平均して規定量の半量程度しか塗布されていない実態を考慮すると,実際には表示のSPF に達していないことが分かった.サンスクリーン剤を規定量の25%塗布してストッキング等を併用することで,全ての試料でUPF15 以上になり,UV 防御能を有するようになる.さらに規定量の50%塗布で,全ての試料でUPF40 以上のExcellent Protection になる.サンスクリーン剤単独の場合より,ストッキング等を併用することで,1 ランクUV 防御能が上昇する効果が得られることが分かった.
著者
川端 博子 鳴海 多恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.123-131, 2009 (Released:2011-08-30)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Thread-tying tests and questionnaire surveys were conducted on 247 boys and 271 girls in elementary schools from July to November, 2007. The questionnaires asked the participants' about their frequency in engaging in play, their confidence towards play, their study preferences, and their consciousness towards making things by hand. We analyzed how their skill or lack of skill in using their fingers and hands was related to the results of the questionnaires. The results were as follows: (1) The mean number of knots made in a five-minute thread-tying test was 6.4 for boys and 10.2 for girls, showing a significant difference between boys and girls. Comparing these results with the previous results in 1995, skillfulness in fingers and hands among elementary-aged children appears to be declining. (2) Boys and girls with abundant indoor play experience tended to have higher skillfulness in fingers and hands. As their degree of confidence towards play using their hands declined compared with the results in 1995, a change in the way they play can be considered as one of the reasons for their decline of their skillfulness in fingers and hands. (3) Boys and girls with higher skillfulness in fingers and hands tended to like studies which require the use of their hands and other studies that require repetition. This tendency is more prominent among girls. (4) Sewing seems to have a mutual relationship with skillfulness in fingers and hands, abundant play experience, preference towards studies using the fingers and hands, and consciousness towards making things by hand. Therefore, it can be suggested that sewing studies can nurture positive attitudes towards various other kinds of learning and activities using the hands, as well as develop skillfulness in fingers and hands.
著者
工藤 彩 川端 博子 生野 晴美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.59, 2011

<B>目的</B> 授乳期においては体型の変化や授乳により妊娠前とは違った衣服が求められ、ブラジャーに関しては授乳専用品が利用される。授乳専用ブラジャーは一般に母乳パッドと共に使用され、乳頭部の保護と母乳を吸収する役割を果たす。本研究では、綿の授乳専用ブラジャーに3種のパッド(不織布と吸水ポリマーからなる使い捨て、綿100%布製、ポリエステル100%布製)を装着し、パッド内部の温度・湿度環境の実態把握と着用感の比較を目的とする。<BR><B>方法</B> 授乳期の女性の協力を得て、日常生活の中でパッドに付着する母乳の量と、パッド内部の温度・湿度の推移を把握した。室温28℃・湿度60%の人工気候室内で、女子学生被験者15名が30分間安静を保ち着用感の評価をした後、母乳にみなした37℃の温水を4mlパッド内部に注入し、安静30分後に再び着用感評価を行なった。5名については、小型のロガー付きセンサーを用いてパッド内部の温度・湿度を測定した。<BR><B>結果</B> 交換時までに使い捨てパッドに付着する母乳量には、同一人物でも、左右差があるなど一定の傾向はみられない。多い時には10gを超えるケースもある。パッド内部の温度は36℃前後、湿度は90%を超え、高温多湿である。一方、女子学生では温度33℃、湿度40~50%前後であった。<BR> 人工気候室内の被験者5名の水注入前のパッド内温度・湿度の平均は35℃、60%前後で、3試料間には温度・湿度ともに差はみられない。水注入後には、使い捨てでは温度・湿度はほとんど変化しないが、綿とポリエステル製では温度はともに下降した。湿度は、綿では急激に、ポリエステルでは緩やかに上昇するが、30分後には両者とも約90%になる。このことから、布製では母乳の漏れがある時にドライな環境を保つのが難しいと考えられる。不快感においても、水注入前には3試料間に差はみられないが、水注入後には使い捨てがもっとも優れていると評価された。
著者
川端 博子
出版者
埼玉大学総合研究機構
雑誌
総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書
巻号頁・発行日
vol.第5号(18年度), pp.299-300, 2007

4 若手研究及び基礎研究
著者
川端 博子 鎌田 紗矢子
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 = Journal of Saitama University. Faculty of Education (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.179-188, 2010

Movements of the lower legs and feet during ascending and descending of stairs were observed, and flat shoes, 3cm-heeled pumps, and 8cm-heeled pumps were compared with respect to their functional mobility. The results were as follows:(1) Twenty female university students participated in the test, which involved measuring the length of time required to walk a certain distance and to ascend/descend stairs. When thesubjects were wearing high-heeled pumps, the length of time required to walk a certain distance increased, and the time required to descend stairs increased remarkably.(2) Further observation was carried out for six female students when they ascended and descended stairs, and the movements of their legs and feet were analyzed. When the subjects werewearing high-heeled pumps, the angle between the leg and instep became larger than when they wore other types of shoes, the muscle of the instep was continuously extended, and the rotationof the ankle became smaller; these facts indicate that high-heeled shoes restrict free movement of the leg and foot.(3) Pressure distribution on the sole was measured to examine the mobility function of highheeled shoes. When the subjects stepped on the ground, there was no difference in the total pressureapplied to the sole according to the type of shoes. When they kicked the ground, however, the total pressure on the sole was the smallest for the flat shoes. As the heels of the shoes becamehigher, more pressure was applied to the front part of the sole, and the transfer of the pressure position during motion became smaller. As a result, it was revealed that high-heeled shoes had an influence on antero-posterior balance of the foot in walking movement.
著者
川端 博子 鎌田 紗矢子
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.179-188, 2010

Movements of the lower legs and feet during ascending and descending of stairs were observed, and flat shoes, 3cm-heeled pumps, and 8cm-heeled pumps were compared with respect to their functional mobility. The results were as follows:(1) Twenty female university students participated in the test, which involved measuring the length of time required to walk a certain distance and to ascend/descend stairs. When thesubjects were wearing high-heeled pumps, the length of time required to walk a certain distance increased, and the time required to descend stairs increased remarkably.(2) Further observation was carried out for six female students when they ascended and descended stairs, and the movements of their legs and feet were analyzed. When the subjects werewearing high-heeled pumps, the angle between the leg and instep became larger than when they wore other types of shoes, the muscle of the instep was continuously extended, and the rotationof the ankle became smaller; these facts indicate that high-heeled shoes restrict free movement of the leg and foot.(3) Pressure distribution on the sole was measured to examine the mobility function of highheeled shoes. When the subjects stepped on the ground, there was no difference in the total pressureapplied to the sole according to the type of shoes. When they kicked the ground, however, the total pressure on the sole was the smallest for the flat shoes. As the heels of the shoes becamehigher, more pressure was applied to the front part of the sole, and the transfer of the pressure position during motion became smaller. As a result, it was revealed that high-heeled shoes had an influence on antero-posterior balance of the foot in walking movement.
著者
林 隆子 川端 博子 石川 尚子 大久保 みたみ 大関 政康 大竹 美登利 唐沢 恵子 斉藤 浩子 高崎 禎子 武田 紀久子 山形 昭衛
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.361-369, 1992-05-15
被引用文献数
6

The survey of the daily clothes of 708 people, from ages 70 to 95,living in Ome City,Tokyo,was conducted from May though August, 1989. We investigated the sorts of daily clothes worn on the day surveyed and the details of each garment. The results were as follows:(1) The most typical ensemble of men's upper garments consisted of an undershirt, shirt and blazer or jacket while the lower one consisted of briefs or undershirt and a blouse and sweater with three-quarter sleeves that were button closing in front. The lower garments were mainly briefs, short or long underwear and trousers or a skirt. Trousers were preferred by elder women, compared to younger women.(3) Man-made fibers were often used for the outer wear of those surveyed.(4) An estimation of the thermal insulation and weight if the garments indicated that the elderly people surveyed wore more clothing than younger people.
著者
小林 由実 川端 博子 薩本 弥生 斉藤 秀子 呑山 委佐子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】 伝統的・文化的な技術や習慣が伝承されにくく、関心も低くなっている中、2008年改訂の中学校学習指導要領の家庭・被服領域において「和服の基本的な着装を扱うこともできる」が明記された。しかし、教師自身の知識・技能が十分でない、教材の確保が困難といった理由から、和服に関する授業の実践例はまだ少ない。この様な現状をふまえ、ゆかたの着装を含む体験的学習を通してきもの文化を次世代に継承する家庭科の教育プログラムを開発し、その学習効果を検証することを目的とする。【授業実践】 本研究では、埼玉大学教育学部附属中学校(2年生4クラス173名)の協力を得て、2011年5月から4週にわたり50分授業を4回実施した。授業は、和服の基礎的内容の学習にはじまり、たたむ、帯を結ぶ、ゆかたを着装する体験学習へと、段階的に進めた。着装技能/ゆかた着装時の気持ち/ゆかたへの興味・関心の視点に関するアンケートと授業ごとの感想をもとに、授業の効果を考察した。【結果と考察】 着装技能の評価 ゆかたの着装技能について、「帯の結び方」等の3項目について8~9割の生徒が理解できたと感じていた。また、写真によるゆかた着装の生徒の自己評価では、「背中心がまっすぐである」等の全ての個別評価と、総合評価「外出できる出来ばえになっている」で有意な相関がみられた。「えり」「すそ」の評価項目では男女とも相関が比較的高い傾向となり、出来ばえに関連する要素とみなされる。男子においては「帯の形が整っている」の相関が最も高く、着付けにおいて帯結びの美しさが総合的な出来ばえに及ぼす影響は大きい。また、教師が同様の評価を行ったところ、5項目について自己評価と教師評価の間に有意な相関がみられた。特に帯に関する項目で、生徒と教師の評価基準が一致する傾向となった。 モデルのゆかた着装時における気持ち ゆかたの着付け体験は2~3人のグループ活動とし、そのうちの一人をモデルとした。授業の前後にモデルを対象にゆかた着装時の気持ちを評価させたところ、「うれしかった」等のゆかたのよさに関する5項目については、全てで高まった。「帯がきつかった」「歩きにくかった」の否定的な2項目においては授業後にはあまり変化せず、比較的低くとどまった。 ゆかたへの興味・関心 授業の前後に、ゆかたへの興味・関心(7項目)を評価させ比較したところ、男女ともに全ての項目で興味・関心が大きく向上した。事後調査においては、「和服について関心がもてた」等の項目で全体の約8割が「(やや)そう思う」と回答した。また、「家族と和服の話をした」の項目では全体の52%が「はい」と回答したことから、授業を通して生徒にきもの文化の継承に関わるきっかけを与えられたと考える。 自由記述の分析 授業後の感想を観点別に分析したところ、帯結びの体験では「帯の形」「長さ調節」「きつさ」が、着付け体験においては、「帯」「おはしょり」が困難な点として最も多く挙げられていた。これらの記述を参考に、要点をおさえた、より簡潔でわかりやすい指導につなげていくことが課題である。
著者
武田 紀久子 大久保 みたみ 高崎 禎子 唐沢 恵子 石川 尚子 大関 政康 大竹 美登利 川端 博子 斉藤 浩子 林 隆子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-13, 1992

東京多摩西部地区 (青梅市) の高齢者の総合生活調査の一環として食生活調査を行い, 次の結果を得た.<BR>(1) 大部分の人が1日3回の食事と, 1~2回の間食をとっていた.主食としては米飯が最も多かったが, 30%の人は夕食に麺類を摂取していた.また, 1日の平均汁物摂取は, 1.9杯であった.<BR>(2) 緑黄色野菜, 淡色野菜, 果物, 大豆製品, 卵は毎日, 魚, いもなどは週3~4回以上摂取している人が多く, 食品のバランスとしてはほぼ良好であった.酒・牛乳以外のほとんどの食品類において, 女性の摂取頻度は男性よりも高率であった.また, 男女とも自分が食事作りをする人はしない人に比べ, 毎日の摂取頻度が高い食品類が多かった。摂取頻度の高い調理法は, 魚では, 焼き魚, 煮魚, 野菜では煮物, 妙め物であった.<BR>(3) 主食となる料理では, うどん, 寿司, 赤飯が好まれた.主菜は, 男性には刺身, すき焼き等の馳走が, 女性には焼き魚, 卵焼き等の惣菜料理が好まれた.また, 女性は主菜よりも野菜中心の副菜を好む率が高かった.<BR>(4) 自分で調理を担当するのは, 女性は約50%, 男性は約10%であった.<BR>(5) 外食の頻度は月1回以上が46%を占めた.市販のおかずの利用頻度は週1回以上が約60%であり, 利用理由として男性は食品の多様性, 女性は簡便性を挙げていた.<BR>(6) 食事の満足度は97%と高率であった.<BR>(7) 子供と同隣居の高齢者は, 別居の場合よりも, 間食回数, 汁物の摂取量が多く, また, 米飯の摂取頻度や市販のおかず・外食の利用頻度も高かった.<BR>(8) 子供と別居している女性は, 98%が食事作りを担当しているが, 食品の摂取頻度は高く, 市販のおかずや外食の利用頻度は低いなど, 日頃から自分の食生活に留意しているようすがみられた.