著者
佐藤 眞理子 中田 英雄 礒田 正美
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

近年、国際援助コミュニティの教育分野の主な援助手法となっているセクターワイドアプローチについて、援助供与国(アメリカ・スウェーデン)と援助受け取り国(バングラデシュ)の実地調査(インタビュー・資料収集等)を行い、国際社会におけるセクターワイドアプローチの展開状況を分析した。援助供与国では、基礎教育開発援助の具体的事例をアメリカのUSAID(米国国債開発庁)及びSida(スウェーデン国際開発庁)から収集、まとめ、分析した。セクターワイドアプローチは重点領域のモデルとなるデモンストレーション方式で行われ、それらが基本フィールドとなって地域と国レベルでネットワークを構築するというものである。バングラデシュでは、政策支援型援助であるPrimary Education Development Programを取り上げ、バングラデシュ政府のオーナーシップについてバングラデシュ政府側と援助供与側の担当者と協議し、セクターワイドアプローチの課題を明らかにした。結果、セクターワイドアプローチは国際社会では現在共用されている援助手法ではないことが指摘され、今後のさらなる調査が必要とされた。