著者
稲葉 ナミ 大村 彰子 佐藤 緋佐子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.112-116, 1966

東京都立の高校生について、平常時・後期試験日程発表後の試験前・試験実施の中間日の3回、授業終了後、自覚的疲労調査を行なった結果、次のような結論を得た。<BR>1.高校生の疲労感は産業労働者より全般的に多く、そのうちでも精神的症状が最も多く、各症状間に相関関係が認められた。<BR>2. 全日制と定時制とには本調査に関する限り、予想したような差はあらわれなかったが、定時制の環境が特に恵まれているためであろう。<BR>3. 全日制・定時制ともに男女共学であるが、男女の疲労感には有意差が認められなかった。<BR>4. 睡眠時間が短いと疲労感が多い傾向がみられる。<BR>5. 試験の影響をみると、調査時が放課後であったためか、試験中間期より試験直前のほうが疲労感が多い。<BR>6. 通学所要時間の影響は全般的に近距離のためか、殆んど差が認められなかった。