著者
佐藤 翔一 柵木 彩花 大野 剛 深海 雄介
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>炭酸塩鉱物はどの時代にも地球表層環境に普遍的に存在し、元素・同位体組成が沈殿時の海洋環境を反映することから、海洋古環境情報復元のための試料として広く用いられている。近年、新たに環境情報を復元する指標として炭酸塩鉱物中の二族元素の同位体分別が注目されている。また、固相―液相間で同位体変動が起こる主な要因として、天然の炭酸カルシウムにおけるカルサイトとアラゴナイトといったような結晶系の違い、液相のpH、結晶成長速度の3つが挙げられる。これらの指標から海水組成、二酸化炭素吸収量、風化速度といった古環境情報を復元することができる。そこで本研究では、炭酸カルシウムにおけるこれら3つの指標を制御する無機沈殿実験法を開発し、研究例が限られている各結晶構造における模擬海水-炭酸カルシウム間でのストロンチウム同位体分別の大きさとpH、沈殿速度との関係性について調べることを目的とした。</p>