著者
佐藤 良彦 佐藤 良平
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.199-203, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
11

10歳齢の猫が右下眼瞼の小結節から出血し受診した。結節は59日後に直径10 mmに増大し,外科的に切除した。病理組織検査で腫瘍細胞は血管内皮に酷似し,ビメンチンと第VIII因子関連抗原の免疫染色で陽性を示したことから血管肉腫と診断した。術後トセラニブを投与したが,38日目に下眼瞼の小結節から出血し受診した。結節は43日目に20 mmに増大したため同剤の投与を中止し,βグルカン製剤を投与した。結節は87日目に25 mmに増大したが出血は著減,104日目に出血もなく脱落し320日目も消失を維持している。
著者
佐藤 良彦 久米田 章仁 小山 武彦 高田 俊也 青柳 高弘 市川 憲一 和田 浩彦 古谷 隆徳 田中 けい子
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.1073-1076, 1993-12-15
被引用文献数
5

ジュウシマツが水様下痢を呈し死亡した. 肝臓の軽度腫大と巣状壊死を認め, 主要臓器, 糞便からS. Typhimuriumが分離された. ニューカッスル病およびクラミジア症は陰性であった. 以上の成績からサルモネラ感染症と診断した. 有効薬剤の投与, 病鳥の淘汰を実施したが198羽が死亡し致死率は74%に達した. 疫学調査により, 県外から購入したジュウシマツが感染源と推定された. 本症例はジュウシマツにおけるサルモネラ感染症の最初の報告である.
著者
佐藤 良彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.217-223, 2013 (Released:2014-01-24)
参考文献数
7

特徴的な牙痕からニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)の咬症と診断した犬4症例の治療例を報告する。症例1は受傷20時間後に受診,顔面に小さな牙痕を2カ所認め浮腫と出血が見られた。症例2は受傷15分後に受診したが臨床症状は見られず,翌日,顔面に3カ所の牙痕が現れ浮腫が観察された。症例3は受傷10時間半後に受診,左上唇に牙痕が2カ所あり顔面の浮腫を認めた。症例4は夜間受傷,左前肢に牙痕が1カ所あり腫大していた。プレドニゾロンを初診時に1.0~5.0 mg/kg投与し,その後漸減,抗生物質も投与したところ,いずれの症例も1週間前後に回復した。
著者
佐藤 良彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.85-89, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
7

特徴的な牙痕および臨床症状からニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)の咬症と診断した猫2症例の治療例を報告する。両症例とも夜間外出中に受傷したと思われ,家に戻ってきた際,症状は認められなかったが,翌朝には顔面が腫大していた。両例とも受傷した約12時間後に受診,症例1は下唇に牙痕を1ヵ所認め,下顎に高度な浮腫が見られた。症例2は前頭部に2ヵ所の牙痕を認め,顔面と下顎に高度の浮腫が観察された。両例とも初診時にプレドニゾロンを2.3~4.0 mg/kg投与し,その後漸減,抗生物質も投与したところ,4日間ほどで回復した。