著者
佐藤 茂樹
出版者
広島女学院大学
雑誌
広島女学院大学論集 (ISSN:03748057)
巻号頁・発行日
no.45, pp.194-180, 1995-12

This is collation of the "Dairi Utaawase" (Imperial Palace Poetry Composition Contest) (Intercalary September 19, 1213) contained in the Gunsyo Ruiju using the 17 versions in the possession of the National Institute of Japanese Literature. There are of course some small differences, but it was possible to amend the "atarakishi" in the thirteenth criticism to "atarashiki." With regard to the differences among waka poems, it seems there are fundamental problems in the "toyama no oku mo" and "toyama no oku no" in right's poem in the first round, as well as the "kikiwafuru" and "kiewafuru" in right's poem in the tenth round.
著者
星野 澄人 森谷 雅人 今井 直人 佐藤 茂樹 永楽 仁 片場 嘉明 小柳 泰久
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.393-397, 1997-02-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
17

胃石イレウスは比較的稀な疾患であり,術前診断が困難なことが多い.今回われわれは,胃石による小腸イレウスの1手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は63歳男性,数日前より嘔気,嘔吐を繰り返し,症状の増悪を認めたため近医受診し,上部消化管造影を施行したところ十二指腸下行脚に陰影欠損を認め,十二指腸腫瘍によるイレウスの疑いで当院紹介入院となった.上部消化管内視鏡を施行したところ,十二指腸下行脚には病変は認めず,鉗子孔からのガストログラフィンによる造影で,空腸に体位にて移動する陰影欠損を2カ所確認した.以上により,異物(胃石)イレウスと診断し自然排出を期待して保存的治療を試みたが9日間経過しても排出されず,外科的療法(胃壁切開)により,計5個の胃石を摘出した.摘出した胃石の成分分析よりタンニン98%の結果を得,柿の常食の嗜好もあることから,柿胃石によるイレウスと診断した.
著者
佐藤 茂樹
出版者
広島女学院大学国際教養学部
雑誌
広島女学院大学国際教養学部紀要 (ISSN:2188465X)
巻号頁・発行日
no.5, pp.67-78, 2018-03-30

「わくらばに」という詞は、『万葉集』にも三首あるが、在原行平の「わくらばにとふ人あらばすまの浦にもしほたれつつわぶとこたへよ」(『古今』雑・九六二)の歌が『新撰和歌集』『古今和歌六帖』『奥義抄』『近代秀歌』『詠歌大概』などにも採られ、有名と言える。「わくらばに」は、勅撰集において、『古今集』の行平歌以外には、『新古今集』に五首、『新勅撰集』に三首、『続千載集』に一首、『新拾遺集』に二首ある。『古今集』から『新古今集』の間は一首もない。『新古今集』時代に再発見され、流行ったと見られる。私家集においては、そうではなく、『古今』から『新古今』の間に詠まれている。また、同意である「たまさか」は『万葉集』に五首、『古今集』にはないが、『後拾遺集』に四首、『金葉集』に二首、『詞花集』に一首、『新古今集』に一首が見られる。「たまさかに」の方が「わくらばに」より、「歌ことば」として定着していたと言える。それだけに、『万葉集』歌の次に詠出された『古今集』の行平歌は画期的であったと言える。『古今集』においては、「雑」の歌で用いられた「わくらばに」は、その後恋歌にも用いられる。本稿では「わくらばに」について、恋歌以外と恋歌での使われ方を考察し、「わくらばに」がどのようにして恋歌の詞となったのかを考える。 一