著者
星野 澄人 森谷 雅人 今井 直人 佐藤 茂樹 永楽 仁 片場 嘉明 小柳 泰久
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.393-397, 1997-02-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
17

胃石イレウスは比較的稀な疾患であり,術前診断が困難なことが多い.今回われわれは,胃石による小腸イレウスの1手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は63歳男性,数日前より嘔気,嘔吐を繰り返し,症状の増悪を認めたため近医受診し,上部消化管造影を施行したところ十二指腸下行脚に陰影欠損を認め,十二指腸腫瘍によるイレウスの疑いで当院紹介入院となった.上部消化管内視鏡を施行したところ,十二指腸下行脚には病変は認めず,鉗子孔からのガストログラフィンによる造影で,空腸に体位にて移動する陰影欠損を2カ所確認した.以上により,異物(胃石)イレウスと診断し自然排出を期待して保存的治療を試みたが9日間経過しても排出されず,外科的療法(胃壁切開)により,計5個の胃石を摘出した.摘出した胃石の成分分析よりタンニン98%の結果を得,柿の常食の嗜好もあることから,柿胃石によるイレウスと診断した.
著者
森谷 雅人 高木 融 鈴木 敬二 佐々木 啓成 伊藤 一成 片柳 創 土田 明彦 青木 達哉 小柳 〓久
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.2114-2117, 2002-09-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
13

症例は61歳,女性.胃癌にて1997年12月9日,胃全摘術,膵脾合併切除施行. 1998年1月9日より化学療法施行. 18日より経口摂取不良となり,高カロリー輸液(以下, TPN)を開始したが, 2月10日より記銘力低下, 14日より意識レベル低下し, 15日に急性循環不全を呈した.血液ガス分析では, pH 7.136, PaO2 157.0mmHg, PaCO2 9.8mmHg, HCO3-3.3mEq/l, Base Excess -23.4mEq/lと代謝性アシドーシスを呈していた.炭酸水素ナトリウム500ml投与するも効なく,乳酸値を測定したところ144.0mg/dlと高値を示したためビタミンB1欠乏による乳酸アシドーシスを疑い塩酸チアミンを投与したところ,投与後6時間でpH 7.598, Base Excess 8.9mEq/lとなり,意識レベル,循環動態も改善した. 自験例を含めたTPN施行時のビタミン欠乏による乳酸アシドーシスの報告例について文献的考察を加えて報告する.