著者
寺島 和光 佐野 克行
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.782-786, 1994-06-20 (Released:2017-01-01)

膀胱尿管逆流防止術後に発生した膀胱破裂 (症候性自然破裂) 3例について報告した. 3例とも尿管膀胱新吻合術 (Politano-Leadbetter 法)を行ったが, 1例はその前に vesicostomy を, また他の1例では VUR 再発のために再手術を2回行っている. 膀胱破裂はそれぞれ術後10ヵ月, 1年8ヵ月および4年11ヵ月目に発生した. 症状は腹痛, 腹満, 嘔吐, 乏尿, 高窒素血症などであった. 診断は膀胱造影および開腹術にて確定したが, 3例とも腹腔内破裂であった. 破裂の原因は, 手術により膀胱壁に脆弱な部分が生じたためと考えられる. 全例膀胱の修復術により治癒した. 本症は膀胱頂部に発生しやすいので, 膀胱を切開する時はなるべく頂部は避けるようにし, やむをえず切開したら縫合閉鎖は十分に行うことが大切である.
著者
佐野 克行 寺島 和光 檜作 和子 立花 克彦 田中 祐吉
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.57-59, 1998-01

過去6ヵ月間にファラスが急成長した10歳女児で,尿道口と腟開口部は正常な位置にあり,ファラスは径1.5cm,長さ4cmであった.X線検査で腟,子宮,及び卵管様構造を認めた.核型は46,XY(71.5%),45,X(26%),及びその他(2.5%)を持つモザイク型であった.両側性腺は性腺芽腫を持つ異常発生精巣組織であった.左側では巣状的未分化胚細胞腫が発生していた.両側性腺摘除及び陰核縮小形成術を行った