- 著者
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大隅 昇
保田 明夫
- 出版者
- 数理社会学会
- 雑誌
- 理論と方法 (ISSN:09131442)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.2, pp.135-159, 2004-09-30 (Released:2008-12-22)
- 参考文献数
- 54
- 被引用文献数
-
3
ここではまず,テキスト・マイニング(TM)あるいはテキスト型データのマイニング(TDM)の特徴を俯瞰すると同時に,これに関わる技術的な諸要素,諸事項について総合的に報告する.つぎに,現状考えられるTMを実際データの分析に用いるうえでの諸問題を整理する.とくに,その適用可能性について,データ科学の視点から問題解決を図ることの重要性について触れ,さらに具体的なTM応用ソフトを紹介する.また,筆者等が独自に行ったWeb調査データによる分析例を通じ,どのような使い方ができるかの要点,留意事項を示す.ここでは,自由回答設問で得た情報と通常の選択肢型設問との併用による定性型情報の計量的評価の例として示すが,これはTMのごく一部の具現化に過ぎず,本来のTMのあるべき姿,目標はこれだけではない.このようなことからTMの今後の進むべき道あるいは期待される方向は何かについての私見を述べる.