著者
高島 誠司 正木 魁人 黒木 俊介 藤森 祐紀 保科 和夫 岡 賢二 天野 俊康 塩沢 丹里 石塚 修 保地 眞一 立花 誠 八木 瑞貴
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第109回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.OR1-14, 2016 (Released:2016-09-16)

【目的】GDNFに次ぐ真正の精子幹細胞増殖因子としてFGF2が同定された。本研究は,FGF2の精巣内発現動態,発現制御メカニズム及び精巣内機能をGDNFと比較することで2つの因子の役割の違いを明らかにすることを目的とした。【方法】マウス精巣サンプルについては,加齢過程,生殖細胞欠損モデル(ブスルファン(44 mg/kg b.w.)処理),再生モデル(ブスルファン(15 mg/kg b.w.)処理),レチノイン酸過剰投与モデル(750 µg/body),下垂体切除モデル(日本SLCより入手)を準備し,免疫染色,定量的RT-PCR,ウェスタンブロットに供した。セルトリ細胞は,セルトリ細胞特異的にヒトNGF受容体を発現するミュータントマウスよりMACSTMを用いて純化した。【結果】まず,精巣におけるFgf2の発現挙動を既知の自己複製因子Gdnfと比較した。Gdnfは加齢に伴い発現低下する一方,Fgf2はどの週齢でも高発現を示した。精上皮周期にそった発現挙動比較では,GDNFが中期で高発現する一方,FGF2は中期に加え前期でも高発現していた。Fgf2発現細胞は既報のセルトリ細胞ではなく生殖細胞及び精巣間質細胞であった。精巣再生モデルではGdnf同様Fgf2の発現も上昇し,精巣再生への寄与が示唆された。FGF2タンパク質の精巣内発現はヒトを含むほ乳類で保存されていた。Fgf2の発現制御メカニズムの解析では,視床下部-下垂体軸の関与が示される一方,レチノイン酸シグナルは関与しないことが示された。Gdnfについても同様の検討を行い,既報通りレチノイン酸投与によるGdnf抑制が確認されたが,下垂体切除についてはGdnf発現上昇という,定説『下垂体由来卵胞刺激ホルモンがセルトリ細胞のGdnf発現を促進する』とは逆の結果が得られた。現在,精巣におけるFGF2の機能について検討中である。
著者
大槻 公一 狩屋 英明 松尾 公平 杉山 貞雄 保科 和夫 吉兼 崇彦 松本 明久 坪倉 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.721-723, 1987-08-15
被引用文献数
4

1984年11月〜1985年3月の間に山陰地方4カ所および鹿児島県1カ所に飛来した数種の渡り鳥の新鮮な糞便からインフルエンザウイルスの分離を行った。コハクチョウでは377検体から2株 (亜型はH9N2とH3N6), ウミネコでは30検体から2株 (H13N6), オナガガモでは284検体から1株 (H11N3), 計5株のウイルスが分離された。鹿児島のナベヅル材料は, 陰性であった。