著者
保里 和樹 細部 博史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-HCI-172, no.26, pp.1-7, 2017-02-27

パズルには多くの種類があり,昔から多くの人に楽しまれている.特に近年はスマートフォンやタブレット上でパズルを楽しむ人が増えている.しかし,既存のパズルは多様なルールがあるにもかかわらず,限られた形状をしていることが多い.パズルの形状を大きく変化させる研究として,杉山らは,既存のパズルは抽象化を経て他のメディアに変換できるとする,抽象化とメディア変換と呼ばれる体系的アプローチを提案した.本研究では,抽象化とメディア変換を杉山らの研究とは異なる種類のパズルに適用することで,より幅広い形状を可能とした新しいパズルを提案する.具体的には,多様なパズルが二次元の格子状であることに着目し,各マスをノード,となりあうマスの関係をエッジとみることで,格子状のパズルをネットワーク,すなわち,グラフとして一般化して表現する.格子状のパズルとして,本研究では特に加算パズルを扱う.さらに,グラフ可視化技術と複数の列の表現方法を用いて,提案するパズルの可視化を行う.グラフ可視化技術として,Kamada-Kawai 法を改良したものを用い,列の表現方法として,列ごとの色分けと,折曲点の生成の 2 つの方法を用いる.