著者
倉本 亜優未 谷口 将太 杉山 京 仲井 達哉 竹本 与志人
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
no.25, pp.65-73, 2019-03-12

本研究は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員(以下、CMr)を対象に、認知症に関する知識尺度を検討することを目的とした。近畿、中国(岡山県を除く)、四国、九州・沖縄地方に設置されている居宅介護支援事業所から層化二段抽出法により選定した3,000 ヶ所の事業所に勤務するCMr 3,000名を対象に無記名自記式の質問紙調査を実施した。解析には当該項目に欠損値のない808名分の資料を用い、まず地域住民を対象として三上ら(2017)が作成した認知症に関する知識尺度の交差妥当性の検討を行った。次いで、認知症に関する知識尺度の精度を検討することを目的に、項目反応理論(2母数ロジスティックモデル)を用いて各項目の識別力、困難度および尺度全体のテスト情報量を算出した。その結果、CMrにとって平易な項目で構成されている可能性が否定できないものの、認知症に関する知識尺度がCMrに援用できる可能性が示唆された。