著者
浜田 拓 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.76-82, 1994-08-31
被引用文献数
34 42

コナラ林から採集した土壌をプランターにまきだして埋土種子の発芽試験を約1年間行った。試験開始初期に総発芽個体数の約半数が発芽し,その後は季節ごとに特徴のある発芽がみられた。発芽した個体には耕作地等に生育する草本が多く含まれていたが,同時に管理されたコナラ林に生育する種も含まれていた。また,埋土種子は,同一調査区の試料の間でも不均一な分布をした。これらの結果をもとに,コナラ林の植生管理における埋土種子の役割を検討した。
著者
本田 裕紀郎 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.583-588, 2001-03-30
被引用文献数
8 6

絶滅危惧植物力ワラニガナの生育状況を把握するため, 多摩川においてDGPSを用いて局所個体群の分布を記録するとともに, その個体数と個体群間の距離を測定した。その結果, 一つの個体群を除いて他は極めて脆弱な個体群のみであり, 各個体群間の距離は非常に長かった。<BR>また, 休眠・発芽特性を明らかにするため, 3種類の発芽実験を行った。その結果, 変温効果はあるが永続的な埋土種子集団を形成しないこと, 一次休眠は誘導されていないこと, 低温域において若干の相対的休眠が誘導されること, 秋に発芽することが明らかになった。<BR>これらのことから, 個体群の復元が必要であり.それには秋の長雨が訪れる前に種子を散布することが有効であると考えられる。
著者
米森 由佳 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.527-530, 2000-03-30
被引用文献数
7 7

多摩川中流域の河川改修後の低水路護岸3箇所において,1998年8月の増水によって堆積した土砂と植物遺体に含まれる種子を実生発生法により同定したところ,61種の実生が確認され,そのうち28種46%は帰化植物であった。 1999年5月と8月に行った群落調査においても出現種の多くが帰化植物であった。河川改修時の低水路護岸の緑化は,人工的に植栽をしなくても増水時の種子供給により可能であるが,帰化植物の扱いについての十分な検討が必要であることが示唆された。