著者
元村 愛美 中村 裕美 池松 香 五十嵐 悠紀 加藤 邦拓
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2022-UBI-76, no.21, pp.1-6, 2022-11-01

本稿では,食品表面に食用の金箔の導線や電極を形成し,回路の一部として機能させることで食体験を拡張する手法を提案する.また提案手法の応用例の一つとして,電気刺激により味覚の提示や抑制・増強(電気味覚)を実現する回路を試作したので報告する.従来の電気味覚の提示手法では,食品自体が電気回路の一部となるため,水分含有量が少なく電気を通さない食品への適用は困難であった.提案手法では,食品の表面に金箔で作成した電極を貼り付け,電源装置を接続した手袋型デバイスを通じて電流を印加した食品をユーザが口にすることで,電極から直接,口内に電気刺激を与える.これにより,クッキーやチョコレートなどの水分含有量の少ない食品を用いた電気味覚が提示可能となる.