著者
光永 眞人
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

血管新生は線維症や動脈硬化症、悪性腫瘍の増悪など多彩な病態に関与する。研究代表者らは、がん細胞膜表面発現抗原に対する抗体と光感受性物質を結合させた化合物と近赤外光によって、がん細胞のみを機械的細胞死へ誘導する方法を開発し、光免疫療法と名付け報告してきた。また、血管内皮細胞に発現するタンパクを標的とした光免疫療法によって新生血管の傷害から抗腫瘍効果を誘導する方法を開発してきた。病的新生血管の近赤外光による制御は、がんだけでなく非腫瘍性疾患においても実現可能と考えられ、本研究課題では、病的血管新生が病態に関与する疾患モデルを対象として、病的血管の可視化と制御を可能とする治療法の開発を目指す。
著者
谷田 恵美子 和泉 元喜 山田 英司 澤邉 文 細野 邦広 光永 眞人 阿部 剛 白濱 圭吾 金崎 章 阿部 光文
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.348-354, 2009 (Released:2012-07-17)
参考文献数
20
被引用文献数
4

非切除胃で早期胃癌を合併したgastritis cystica profunda(GCP)2例に対し,内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した.粘膜層に癌組織,粘膜下層にGCPを広く認めた.いずれも癌細胞の粘膜下層への直接浸潤は認めず,1例のみがGCP内の腺管上皮細胞を置換しながら進展していた.この例のGCPはKi-67とp53が陰性で,以前の報告と異なっていた.超音波内視鏡は術前のGCPの検出に有用であった.GCP合併早期胃癌の治療方針は,さらに症例を集めての検討を要する.