著者
光永 臣秀 平石 哲也 宇都宮 好博 三浦 房紀 中川 浩二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.775, pp.69-80, 2004-11-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
10
被引用文献数
3

1999年の台風18号は山口県の周防灘沿岸に甚大な高潮被害を及ぼした. 山口県ではこれを契機に護岸高の設計基準の見直しを行なった. この中で, 過去に山口県に大きな被害を及ぼした台風を対象に, 進行コース, 気圧深度, 潮位偏差の観測結果から統計的評価および沿岸部の地形や土地利用などの地域特性を含めた検討を行い, 山口県の高潮防災の基準となるモデル台風としてT9918号を選定した. そして, これを基に周防灘における新たな防護基準を定めた. この結果, 設計潮位については最大90cmの嵩上げが必要との結論を得た. 本論文は, 筆者らが行ったこの検討の内容についてまとめたものである.
著者
光永 臣秀 平石 哲也 宇都宮 好博 三原 正裕 大川 郁夫 中川 浩二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.726, pp.131-143, 2003
被引用文献数
3

1999年の台風18号は, 山口県の周防灘沿岸に甚大な被害を及ぼした. 本研究では, Myers の傾度風モデルおよびマスコンモデルにより風域場を再現し, 被害発生に至るまでのこの台風による高潮と波浪のシミュレーションを行い, 山口県周防灘沿岸代表11地点の被災時における各施設への波力等の外力を推定した. これにより, 現行の設計方法を用いて護岸や防波堤の被災メカニズムについての検討考察を行った結果, 防災基準の設定時の想定を越えた異常潮位や波浪の発生により, 護岸においては基準を超えた越波による裏埋土砂の洗掘と, 想定を越えた引き波による負圧発生, 防波堤においては浮力の増大により堤体が不安定化が生じ被災に至ったものとの結論を得た.