著者
安部 五一 中川 清 児玉 三郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会北陸支部会報 (ISSN:0388791X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.51-54, 1966-03-25
被引用文献数
1

1 本報告は佐渡郡金井町新保川附近の水田に大発生しているオオアカウキクサについて, 昭和37年〜39年に水稲に対する被害および防除について行なった試験結果をまとめたものである。2 繁殖は極めて旺盛で, 湿田等で15℃〜20℃の適温下では年2回の繁殖最盛期を示す。3 稲に対する被害は, 温度較差を少なくし, 密度が増加すると稲の生育初期に倒伏させ, その後は穂数を減らす。また, その他競合による障害を及ぼすなど, 稲の生育を害し減収の大きな原因となる。4 防除にはPCPを主成分とする薬剤が顕著な殺草効果を示したので, 本試験は主にPCP25%粒剤について実施した。その結果, オオアカウキクサの発生初期に水深を4cm以下にして, 10a当りPCP製品で4kg以上散布すれば, 防除が可能なことが認められた。