著者
中里 道子 児玉 和宏 佐藤 甫夫 佐藤 真理 宮本 茂樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1237-1239, 1997-11-15

インスリン依存型糖尿病(Insulin-dependent diabetes mellitus;IDDM)は,血糖値測定,インスリン自己注射,食事療法など,長期にわたる身体管理を要する慢性疾患である。ケトアシドーシスや低血糖などの急性合併症,網膜症,腎症などの慢性合併症を予防するためには,厳格な血糖値コントロールが必要とされる。 IDDMに精神障害を伴う場合,精神症状の管理が身体合併症の予防や長期的な予後にとって,極めて重要である。精神障害を伴ったIDDMに関する報告は少なく,精神分裂病の合併は極めてまれであると言われている。近年,幻覚・妄想を伴ったIDDMの2症例を経験した。この2症例では,小児科,精神科の協力体制が治療上有効であり,精神症状が著明に改善し,血糖値のコントロールも安定し,糖尿病の長期予後も良好に保たれている。
著者
勝倉 りえこ 伊藤 義徳 児玉 和宏 安藤 治
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.139-147, 2008-02-01
被引用文献数
1

目的: 外来患者に対して,簡便で手軽なマインドフルネスに基づくストレスリダクションプログラムの効果を検討することを目的とした.方法: 外来患者8名を対象に,1カ月間,自宅での瞑想訓練の実施と,毎回の練習前後の気分状態と,ベースラインから3カ月後フォローアップまでの6段階における特性指標(心身の健康度,認知的スキル,認知スタイル,スピリチュァルな精神的態度)の測定を行った.結果と考察: 瞑想訓練による気分への即時的改善効果は認められなかった.特性指標の変化として,心配に関するネガティブな信念といったメタ認知的信念の改善が認められた.また,これらの効果の媒介要因である破局的思考を緩和させる認知的スキルの向上と,自動的処理思考が減少した.さらに訓練を十分に行えた患者のほうが,認知的スキルの獲得が促進された.本プログラムが医療現場における日常臨床を補完する可能性が示唆された.
著者
勝倉 りえこ 伊藤 義徳 児玉 和宏 安藤 治
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.139-147, 2008-02-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
2

目的: 外来患者に対して,簡便で手軽なマインドフルネスに基づくストレスリダクションプログラムの効果を検討することを目的とした.方法: 外来患者8名を対象に,1カ月間,自宅での瞑想訓練の実施と,毎回の練習前後の気分状態と,ベースラインから3カ月後フォローアップまでの6段階における特性指標(心身の健康度,認知的スキル,認知スタイル,スピリチュァルな精神的態度)の測定を行った.結果と考察: 瞑想訓練による気分への即時的改善効果は認められなかった.特性指標の変化として,心配に関するネガティブな信念といったメタ認知的信念の改善が認められた.また,これらの効果の媒介要因である破局的思考を緩和させる認知的スキルの向上と,自動的処理思考が減少した.さらに訓練を十分に行えた患者のほうが,認知的スキルの獲得が促進された.本プログラムが医療現場における日常臨床を補完する可能性が示唆された.