著者
中里 道子 児玉 和宏 佐藤 甫夫 佐藤 真理 宮本 茂樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1237-1239, 1997-11-15

インスリン依存型糖尿病(Insulin-dependent diabetes mellitus;IDDM)は,血糖値測定,インスリン自己注射,食事療法など,長期にわたる身体管理を要する慢性疾患である。ケトアシドーシスや低血糖などの急性合併症,網膜症,腎症などの慢性合併症を予防するためには,厳格な血糖値コントロールが必要とされる。 IDDMに精神障害を伴う場合,精神症状の管理が身体合併症の予防や長期的な予後にとって,極めて重要である。精神障害を伴ったIDDMに関する報告は少なく,精神分裂病の合併は極めてまれであると言われている。近年,幻覚・妄想を伴ったIDDMの2症例を経験した。この2症例では,小児科,精神科の協力体制が治療上有効であり,精神症状が著明に改善し,血糖値のコントロールも安定し,糖尿病の長期予後も良好に保たれている。
著者
松浦 信夫 竹内 正弘 雨宮 伸 杉原 茂孝 横田 行史 田中 敏章 中村 秀文 佐々木 望 大木 由加志 浦上 達彦 宮本 茂樹 菊池 信行 小林 浩司 堀川 玲子 菊池 透
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.427-434, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
25

小児において適応が認められていない,経口血糖降下薬メトホルミンの有効性,安全性を評価するために,臨床試験を行った.47名が試験に登録され,38名が試験を終了した.HbA1c値を指標とした主要評価項目では38名中30名(78.9%)が有効と判定された.HbA1c値,空腹時血糖など7項目を指標とした副次評価項目を経時的に比較検討した.試験開始前に比し12週,24週終了時でのHbA1c値,空腹時血糖は有意に低下した.乳酸値を含めた臨床検査値に異常なく,有害事象は47例中16例に,副作用は1例に認めたが,試験を中止するような重篤なものは認めなかった.