著者
佐藤 瑶子 入山 明日香 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.165-172, 2018 (Released:2018-06-22)
参考文献数
14

湿式加熱における品質制御の視点から,蒸し加熱及びゆで加熱の軟化の速度定数を測定し,試料内部の温度及び硬さの変化を予測し,官能評価を行った。軟化の速度定数は,85℃付近ではゆで加熱が,100℃付近では蒸し加熱の方が大きかった。しかし,蒸し加熱とゆで加熱の硬さの平均値から求めた軟化速度を用いて加熱時間を予測し,実際に試料を加熱して官能評価を行ったところ,加熱法によって硬さの評価に有意な差は認められなかった。よって,硬さの測定結果より,蒸し加熱とゆで加熱では温度域によって軟化速度にわずかな差はあるものの,加熱時間を同じとしても,ほぼ同程度の硬さに仕上がることを官能評価の結果から確認した。