著者
田中 智子 坂本 須美子 岩月 聡史 茶山 健二
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.375-380, 2011 (Released:2014-04-25)
参考文献数
29

セレンは必須微量元素の1つで健康増進作用や疾病予防作用,とりわけガンの発生や転移を抑制することで,注目を集めている元素である。食品中のセレン含有量を水素化物発生原子吸光法を用い測定した。測定条件は,NIST SRM-1568 aの米粉を用い認証値 380±40 ppbに対し,382±17 ppbで妥当性を確認した。41種類の豆腐中セレン含有量を測定した結果,国産と中国産大豆を用いた豆腐中セレン含有量は低く,カナダ・アメリカ産大豆を用いた豆腐は高かった。きな粉を測定した結果も,大豆の原産国がアメリカのセレン含有量は高く,国産大豆のきな粉は低くかった。
著者
下藤 悟 大谷 貴美子 松井 元子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.335-342, 2013 (Released:2013-12-13)
参考文献数
20

銅ボウルで調製した泡立て卵白の特性について,銅イオンとオボアルブミンの反応性の観点から検討した。銅イオンは,泡立て卵白の起泡性には関与していなかったが,安定性に関与していた。動的粘弾性測定より,銅ボウルで調製した泡立て卵白は,ガラスボウルで調製したものと比べて,粘弾性が大きく,より安定な構造であることが示された。オボアルブミンの役割を明らかにするために,銅イオンとの反応性を検討した。銅イオンが存在することで,オボアルブミン溶液の遊離SH基量と疎水性の減少および,粘弾性向上が示された。さらにSDS-PAGEより分子量の大きなタンパク質が検出されたことから,銅イオンはオボアルブミンの分子間における架橋形成を促進していることが示唆された。銅ボウルで泡立て卵白を調製すると,銅イオンにより形成されたS-Cu-S架橋によって泡立て卵白の膜の粘弾性が向上する。このことによって不均化や薄膜化による破泡を抑え,泡沫安定性を向上させたと考えられる。

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著者
太田 静行
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.117-120, 1975-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17
著者
瀬戸 美江 蒲原 しほみ 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.2-7, 2003-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
27

鶏レバー,牛レバー,豚レバーの3種類を用い,調理温度によってにおいを軽減できるかということを目的に,アンケート調査,ニオイセンサー,官能評価,化学的成分の測定を行った.アンケート調査の結=果,「生臭さ」や「味」が嫌いな理由の上位にあることが分かった.ニオイセンサーでは,レバーにより加熱温度によるにおいの強さが異なったので,官能評価を行ったところ,180℃の高温短時間加熱により生臭さが抑えられ,味も好まれた.また,高温加熱によりサラダ油の浸透が進み,高度不飽和脂肪酸の酸化も抑えることができた.鉄含有量が高いヘム鉄のレバーを高温短時間加熱することにより鉄分の損失は抑えられ,味もにおいも好ましくなることで,貧血の鉄補給源など栄養的効果を期待される食品として,レバーの利用範囲を広くすることができるのではないかと考える.
著者
齋藤 利則 米田 千恵 飯島 久美子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.63-66, 2005-01-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9

Seasoned tuna meat dzuke in Japanese, was prepared from bigeye tuna meat by using a contact dehydration sheet (CDS), and the effect of CDS on the permeation of seasoning into the tuna meat was examined. The tuna meat decreased in weight by 0.71% during a CDS treatment at 2°C for 1h. After soaking in soy sauce seasoning at 2°C for 2h, the CDS-treated and-untreated samples had respectively decreased in weight by 0.64% and 1.39%. Both the color difference (ΔE*ab) and sodium chloride concentration in the inner parts of the CDS-treated samples were significantly higher than those of the untreated samples after soaking in the seasoning for 1h, suggesting that the CDS treatment was effective for permeating seasoning into the tuna meat. A sensory evaluation also revealed that the CDS-treated samples were significantly higher in saltiness, soy sauce color, and overall preference as dzuke than the untreated samples.
著者
今野 暁子 及川 桂子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.39-44, 2003-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12

一般の調理に鉄鍋を使用することによりどの程度の鉄が溶出するかについて検討し,以下の結果を得た.1.鉄の溶出量は添加調味料に影響され,食酢,トマトケチャップ,食塩の順に多く,特に食酢添加における鉄溶出量は顕著に増加した.さらに加熱時間が長いほど,鉄溶出量が増加した.2.鉄の溶出量は油の使用により減少する傾向がみられた.3.鉄鍋で調理した食物中の鉄含量はステンレス鍋で調理したものに比べて多かった.4.鉄鍋,鉄びんから溶出した鉄の78~98%が吸収されやすい2価鉄であり,中でも食酢添加では98%とほとんど2価鉄で,しかも安定性に優れていた.以上の結果は,調理における鉄鍋の使用は生体利用性の高い鉄摂取量を増加させ,貧血改善に有効であることを示唆するものである.
著者
畑江 敬子 奥本 牧子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.133-140, 2012 (Released:2014-03-14)
参考文献数
10

煮物の味は冷めるときにしみ込むという言い伝えを検証するために,ジャガイモ,ダイコン,コンニャクを2 cm角の立方体に成形し,1%食塩水中で食べられる軟らかさまで加熱後,0,30,50,80,95°Cで90分まで保温し,30分後と90分後に外層部と内層部の食塩濃度を測定した。温度降下条件を各設定温度に試料を加熱した鍋のまま移す緩慢条件と,氷水に鍋をつけて設定温度まで下げた後保温する急速条件の2種とした。いずれの条件でも,保温温度が高いほど,食塩の内部への拡散は大きく,このことは官能評価でも確認された。これらの結果から冷めるときに味がしみ込むということは見いだせなかった。ソレ効果についても検討したが,ソレ効果で煮物の調味料の拡散を説明することはできないことがわかった。冷めるときに味がしみ込むというのは,冷める時間に調味料が内部へ拡散することを言っているのではないかと考えられる。
著者
小林 三智子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.221-227, 2010 (Released:2014-10-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1 or 0
著者
深井 洋一 小泉 真治 宮沢 潤 押田 光義
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.138-147, 2008-04-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 or 0

長野県内において良食味米のコシヒカリを生産する飯山市には,タニシが群生する水田地帯が存在していた。その当該水田の2水系6箇所を選定し調査した。環境調査では,土壌調査,水質調査および残留農薬調査により,タニシ生息に好適な水田環境であることが示された。米の品質調査では,玄米品質,精米品質,炊飯品質,糊化特性および官能評価により,良食味の特性がそれぞれ示された。環境調査(残留農薬を除く)と品質調査から主成分分析を行ったところ,試験区と対照区とはその特性が大きく異なり大別された。これらのことから,タニシが宿る試験区の米は環境性と食味に関る品質が優れることが分かった。
著者
畦 五月
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.308-319, 2015 (Released:2015-09-05)
参考文献数
43
被引用文献数
1 or 0

本研究では近現代に焦点をあてて,サメの食習慣を食用地域とその調理方法の観点から,あるいは特性の類似するエイとの対比において明らかにした。 現代においてサメは東北地方で,エイは中四国を中心に利用されている地域性のみられる魚である。サメの調理法は時代の変遷とともに若干多様性を示しながら変化したものの,刺身・湯引きや煮物を主な調理法とし現代まで受け継がれている。一方,エイは煮物を主な調理法として食べられている特徴が見られ,サメとエイでは若干調理法に違いが見られた。 含有される尿素によって鮮度低下が遅れるため長期間保存ができる共通した特徴を両魚は持つ。そのため山間部でも刺身を食べることができること,また様々な調理法で食べられること,地理的要因などが関係し,類似した地域性を維持しながら,今日まで両魚がハレの日の食材となりその食習俗を継承してきたと考えられる。
著者
山口 美代子 木咲 弘
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.208-212, 1989-09-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1 or 0

When glutinous rice (R) colored with the aqueous yellow extract (YE) of the Gardenia fruit (GF) was steamed, the color sometimes changed from yellow to green unexpectedly. The experiment was done to clarify the phenomenon of the greening.The greening occurred when R was steeped in YE at 30-40°C for 24 hours and then steamed, and no greening occurred at 20°C or below for 24 hours or at 30°C for 12 hours. The greening was weaker when the well-washed R was steamed, and stronger when R with addition of rice bran (RB) was steamed.Furthermore, an experiment of greening YE was carried out by using RB or its extract. The result showed that the greening did not occur when RB was heated previously. The greening was inhibited when silver ion was added. The green liquid obtained by this experiment had a maximal absorbance at 440and 590 nm in the visible range. We may conclude on the basis of this experiment that a green color consits of two kinds of color, namely, yellow and blue.The phenomenon of greening seems to indicate that iridoid glycoside (such as geniposide) contained in GF was liberated into iridoid compound (such as genipin) by the function of enzyme contained in R or RB. The phenomenon also revealed that iridoid compound turns into blue color when it was heated with amino acids.