著者
入江 研一 三輪 佳織 池之内 初 千葉 哲也 細木 聡 吉村 壮平 猪原 匡史 豊田 一則 古賀 政利
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.11002, (Released:2022-05-18)
参考文献数
21

【目的】椎骨動脈解離患者における延髄梗塞の臨床的および画像的特徴を検討した.【方法】2011年11月~2018年3月における急性期延髄単独梗塞連続例を調査した.MRIで延髄梗塞の形態的評価を行った.機能的転帰は3カ月後mRSで評価した.【結果】延髄単独梗塞の57例が対象となった.延髄梗塞のうち椎骨動脈解離15例,非解離42例であった.椎骨動脈解離群では非解離群と比較して,若年発症(51±7歳vs 70±13歳,p<0.001)であり,延髄外側梗塞は椎骨動脈解離群で有意に多く(100% vs 71%, p=0.02),延髄内側梗塞は全例で非椎骨動脈解離群であった(0%).機能的転帰不良(mRS≥3)は非解離群が椎骨動脈解離群に比して多かった(0% vs 24%, p=0.049).【結語】椎骨動脈解離による延髄単独梗塞は若年発症で,延髄外側梗塞を来しやすく,機能的転帰は良好である.