著者
水戸 康夫 進本 眞文 八島 雄士
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学経済学部紀要 (ISSN:13402641)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.37-45, 2008-02

期待効用理論は、各選択肢における効用に確率を掛け合わせることによって期待効用値を算出し、期待効用値の最大の選択肢が選択されると見る理論である。しかし、本論の実験において、多くの実験協力者が確率計算を行なっていないことを見いだした。したがって、期待効用理論に基づいて意思決定を行なっている実験協力者が少ないことが指摘できる。この事実から、本論は期待効用理論を用いた研究は適切とはいいきれないことを主張する。
著者
水戸 康夫 八島 雄士
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学経済学部紀要 (ISSN:13402641)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.69-82, 2007-03

実験協力者の利得は低くなるが、それ以上に相手プレイヤーの利得を低下させることのできる選択(「選択B」)の存在する保証ゲーム(表1と表2)を作成し、相手プレイヤーの利得低下分の大きいゲームの方が、「選択B」選択比率は低くなるか実験を行なった。実験では、表1と表2における「選択B」選択比率は同じとなった。利得における大小関係(利得の大きい方を勝つ側とする時、実験協力者が勝つ側であるか否か)は、選択行動に大きな影響を与え、相手プレイヤーと実験協力者の利得における差の大きさは、選択行動にほとんど影響を与えないと見ると、選択比率が同じとなる実験結果を適切に説明できる。