著者
内山 源
出版者
茨城大学教育学部教育研究所
雑誌
茨城大学教育学部教育研究所紀要
巻号頁・発行日
no.3, pp.37-44, 1970

A県の小学校教員353名を対象として,性教育の実施状況について調査した。要約すると次の通りである。1.「学校全体で計画的に性教育を実施している」としたものは18%であり,学校全体で計画的に実施はしていないが,「学級単位で実施している」としたものは約78%であった。しかし,その中で,「自身で実施している」としたものは約3割であった。2.性教育の指導内容については,「初潮指導」が最も多く97.3%であった。第2位は約35%の「思春期の生理・身体の構造と機能」であり,第3位は約20%の「生活全般にわたるもの」であった。3.性教育の指導担当者については,「養護教諭」が最も多く,約6割であり,次位は「一般担任教師」の25.3%であった。「保健主事」や「校医」は殆んど実施に関与していない状況がみられた。これに対して希望する担当者としては「養護教諭」がさらに高率化し約95%であった。4.性教育の実施頻度や定期性について,実施頻度の最高は月に2回であり,最低は年に1回で,比率は53.3%で第1位であった。「実施を定期的」としたものは僅かに約3割であった。5.性教育の媒体については「スライド」が最も多く,次いで「説明」「映画」となっており,第3位は10%程度の「掛図」であった。
著者
内山 源 仙波 美千代 中野 友実
出版者
茨城女子短期大学
雑誌
茨城女子短期大学紀要 (ISSN:02875918)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.138-164, 2001-02-28

保健教育では論理思考や推理を用いた学習指導は皆無の状況にある。常識的内容,アテズッポー的選択肢とその場限りの理由づけによる授業等が流行,実施され,子ども自身で取り組む主体的な学習や思考を必要とするものは,実践は論外として研究も殆ど存在しない。学習し,思考・判断,比較,推理,概念化する授業が少ないのである。「面白く,当たれば楽しい授業」が「良いもの」と思われている。これでは保健,医療,福祉に対して「考える力」とそれによる「問題解決的実践力」は育たない。思考・判断,推理,比較,評価等を深め,それによって現実的保健問題に対応する能力,スキルを習熟する保健の授業である。その1つとしてConcept Map・Cognitive Mapによる保健教育がある。最近では理科教育でも採り入れられ実践がなされている。本小論では,J.Novak理論・実践を批判し,その改善・発展と必要性を実践データなどで提示した。