- 著者
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内海 しょか
- 出版者
- 日本教育心理学会
- 雑誌
- 教育心理学研究 (ISSN:00215015)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.1, pp.12-22, 2010-03-30
- 被引用文献数
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1
9
本研究では,青年期の子どもにおけるネットいじめの特徴を調べ,親の統制に対する子どもの認知とネット行動との関連を示すモデルを検討した。中学生487名を対象にした質問紙調査を行い,パソコンと携帯電話によるネット使用時間,インターネットを通して攻撃を行った経験・受けた経験,関係性攻撃,表出性攻撃,親のネット統制(実践,把握,接続自由)認知を測定した。その結果,ネットいじめ非経験者の割合は67%,いじめの経験のみ8%,いじめられの経験のみ7%,両方経験は18%であった。両方の経験を持つ者は,どちらも経験していない者に比べ関係性攻撃や表出性攻撃が有意に高く,携帯電話によるインターネット使用時間が有意に長かった。いずれの統制認知もネットいじめ・いじめられ経験を直接予測しなかったが,実践認知は間接的に,把握認知と接続自由の認知は直接的に子どものネット使用時間を予測した。ネット使用時間および,関係性攻撃はネットいじめ・いじめられ経験の両方に直接関連することが明らかとなった。