著者
内田 澪子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

鎌倉時代説話集『十訓抄』の作品研究を深めるための基礎研究として、現存する写本・版本の調査および本文研究、明治期以降に於ける享受の様相について調査・研究を行った。片仮名・平仮名写本および版本については、可能な限り原本調査を行い、これを一覧する基礎資料を作成するとともに、それぞれの関係について考察を行った。更にその分析の最初として『十訓抄』序文の構造や編者の編纂意識を分析する論考を纏め、成立契機として京都六波羅探題府の設置を注視する口頭発表を行った。
著者
内田 澪子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では近世初頭前後の説話・縁起関係資料の禁裏伝来状況を調査し、以下等の結論を得た。・近世初頭の禁裏には畿内を中心とした社寺の、ある程度数の縁起が伝来した。但しその頃に伝えられていたものと現在に伝わるものとは、種類が異なる。万治四年(1661)焼亡後の文庫再建方針に起因すると思われた。・説話類も当該期には『古事談』『撰集抄』など、若干数が伝えられていたことが確認できる。但し12の例外を除いて現在には伝わらない。・当該期に禁裏伝来が確認できる『十一面観音縁起』『古事談』『十訓抄』等の個別作品研究を進めた。