著者
山本 和英 増山 繁 内藤 昭三
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.39-55, 1995-01-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

日本語文章要約システムGREENについて報告する. 一般に, 質の良い文章要約を行うためには, ある一つの言語現象だけをとらえた談話解析だけでは不十分である. なぜなら, 談話に関わる言語現象は相互に関連しているからである. 本研究ではこの観点から, 日本語での様々な表層的特徴をできるだけ多く利用して, 日本語文章の要約を試みる. 本稿では実際に計算機上で試作した論説文要約システムGREENに関して, これで用いられている論説文要約の手法の紹介と, これによって出力された文章の評価を行う.
著者
山本 和英 増山 繁 内藤 昭三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1968-1972, 1996-11-25
参考文献数
8
被引用文献数
4

複数のテキストに対する要約について述べる.日本語新聞記事を対象として,単一のテキストの要約にはない,重複部分の把握,およびその除去という固有の問題に対して,連体修飾語,類似節,名詞句の言換えを利用した要約手法とその実験結果について述べる.
著者
山本 公洋 内藤 昭三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.2790-2801, 1998-12
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では, 解(標本)が複数のスキーマへと線形分割可能な組合せ最適化問題を対象として, 遺伝アルゴリズムの交叉によるスキーマ保存機構を, 任意の1種類のスキーマに着目して, サンプルビット列集合における着目するスキーマを含有する標本(着目標本)の個数の増減という観点から考察する.着目標本数の経時変化は, 淘汰の複写機能による増殖と交叉や突然変異の破壊機能による減衰が均衡する点の有無によって, 2種類の相(安定相と非安定相)に分かれることを示す.着目標本の適応度平均とサンプルビット列集合全体の適応度平均との大小関係に依存して, 安定相-非安定相間の相転移が発生することを示す.遺伝的アルゴリズムにおいて交叉率を高く設定することで, スキーマがサンプルビット列集合全体へ均等に埋め込まれ, 着目標本の適応度平均が高くなり, 均衡点が発生して, 着目標本数が一定に保たれることを示す.最後に, 計算機実験に基づき, 交叉によるスキーマ保存機構に関する考察が妥当であることを示す.