- 著者
-
大谷 喜美江
冨澤 栄子
筒井 末春
- 出版者
- 日本心身健康科学会
- 雑誌
- 心身健康科学 (ISSN:18826881)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.1-9, 2016-02-01 (Released:2016-02-22)
- 参考文献数
- 35
- 被引用文献数
-
2
本研究の目的は,Daily Upliftsのレジリエンスへの影響を,日常いらだち事およびコーピングの特性を踏まえ検討する事である.方法は横断的質問調査であり,2014年5月に労働者1,300名へ電子メールで調査を依頼した.調査項目は,属性,レジリエンス尺度 (RS),日常いらだち事尺度 (DHS),コーピング特性簡易尺度 (BSCP),筆者作成のDaily Uplifts 30項目である.分析方法は,RS総得点を従属変数とした階層的重回帰分析で,属性,DHS総得点,BSCP下位尺度,Daily Uplifts項目を順次モデル1~4として投入した.調査回答者は502名であった.階層的重回帰分析の結果,高いレジリエンスへの有意な独立変数は,BSCPの問題直接解決・視点切替,Daily Upliftsの,楽しい・嬉しい・心地が良い出来事の想像,友人や仲間とのコミュニケーション,暮らしに滞りがない,が含まれた.労働者のレジリエンスは,Daily Upliftsと関係しており,特に労働者の心のヘルスプロモーションへの活用可能性が示唆された.