著者
筒井 末春
出版者
人間総合科学大学
雑誌
人間総合科学 (ISSN:13462598)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.139-150, 2003-10-31
著者
筒井 末春
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.69-76, 2008-09-10 (Released:2010-12-04)
参考文献数
23
著者
芝山 幸久 坪井 康次 中野 弘一 筒井 末春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.111-117, 1998-02-01
被引用文献数
1

心療内科のコンサルテーション・リエゾン活動の現状を調査解析し, 心療内科の専門性としての役割と位置づけを明らかにすることを試みた.対象は5年間に心療内科で入院治療した患者のうち, 他科からコンサルテーションの依頼を受け, 兼科で受けもった患者133例(26.8%)で, 5年間の患者数は一定していた.依頼科は内科が最も多く, 依頼理由は心因の関与の疑い, うつの治療要請などが多かった.治療介入としては心身相関の評価, 疾病に対する不安やうつの軽減, 治療者患者関係の調整などであった.兼科入院は心療内科の入院患者総数の1/4を占め, 依頼理由や治療内容から, コンサルテーション・リエゾン活動は心療内科の専門性の一つであることが確かめられた.
著者
加藤 章子 土井 由利子 筒井 末春 牧野 真理子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.191-200, 2004 (Released:2006-09-21)
参考文献数
31
被引用文献数
8 6

青年海外協力隊員の職業性ストレス―職業性ストレス簡易調査票を用いて―:加藤章子ほか.国立保健医療科学院疫学部―青年海外協力隊の事業は,1965年に外務省所管(後に国際協力機構Japan International Cooperation Agency)として途上国の衛生および社会経済状況の改善を目的に発足されたボランティア活動事業である.近年,派遣国で活動する隊員において,メンタルヘルスに関する問題が増加傾向にある.過去の調査から,ストレス要因として仕事が重要な要因であることは推測されていたが,これまで派遣中の隊員を対象とした職業性ストレスに関する研究はなかった.そこで,隊員におけるストレスおよび仕事におけるストレス要因について検討するために,2003年10月から12月にかけて,横断的疫学研究を実施した.対象者は,調査時世界67ヵ国に派遣中の20~40歳の全隊員1,084人であった(男性485人,女性599人;派遣期間がそれぞれ11ヵ月,7ヵ月,4ヵ月の隊員は316人,332人,436人).対象者の約80%は,情報技術,医療福祉,教育,研究などの専門技術をもち,派遣国の職場組織の中で活動を行っていた.職業性ストレスの尺度には,日本人勤労者を対象に開発された職業性ストレス簡易調査票を用いた.加えて,属性,人格特性(エゴグラム)および他の健康情報についての質問項目も含めた.回収率は,86.9%であった.心理的ストレスについては,カットオフ値を越えた者の割合は5.5%(n=49)であった.平均値(±標準偏差)は,男性4.22(±3.98),女性4.89(±4.40)(p<0.05),派遣期間の長い順にそれぞれ5.15(±4.17),5.05(±4.45),3.93(±4.40)(p<0.01)であった.身体的ストレスについては,カットオフ値を越えた者の割合は,2.9%(n=26)であった.平均値(±標準偏差)は,男性1.10(±1.68),女性1.41(±1.74)(p<0.01),派遣期間の長い順にそれぞれ1.47(±1.77),1.35(±1.89),1.11(±1.55)(p<0.05)であった.さらに,多変量ロジスティック解析を用い心理的ストレス反応と関連する要因について検討を行ったところ,仕事の負担の高さ,対人関係の悪さ,仕事の適合性の低さ,上司や同僚からのサポートの低さ,生活の不満足といった要因が認められた.本研究により,心理的ストレス反応のカットオフ値を越えた者の割合は身体的ストレスよりも高いことが示唆された.また,日本における勤労者と同様,本研究の隊員においても心理的ストレスと仕事におけるストレス要因との間に有意な関連が示唆された.以上より,ストレス関連によるメンタルヘルスの問題や疾病の発症を予防するという観点から,心理的ストレスを有する早期の段階で,心理面での健康状態の確認やカウンセリングが重要であると考えられた.さらに,派遣前の研修の中で,隊員に対するストレス対処法について教育することも考慮すべきと思われる.(産衛誌2004; 46: 191-200)
著者
大谷 喜美江 冨澤 栄子 筒井 末春
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-9, 2016-02-01 (Released:2016-02-22)
参考文献数
35
被引用文献数
2

本研究の目的は,Daily Upliftsのレジリエンスへの影響を,日常いらだち事およびコーピングの特性を踏まえ検討する事である.方法は横断的質問調査であり,2014年5月に労働者1,300名へ電子メールで調査を依頼した.調査項目は,属性,レジリエンス尺度 (RS),日常いらだち事尺度 (DHS),コーピング特性簡易尺度 (BSCP),筆者作成のDaily Uplifts 30項目である.分析方法は,RS総得点を従属変数とした階層的重回帰分析で,属性,DHS総得点,BSCP下位尺度,Daily Uplifts項目を順次モデル1~4として投入した.調査回答者は502名であった.階層的重回帰分析の結果,高いレジリエンスへの有意な独立変数は,BSCPの問題直接解決・視点切替,Daily Upliftsの,楽しい・嬉しい・心地が良い出来事の想像,友人や仲間とのコミュニケーション,暮らしに滞りがない,が含まれた.労働者のレジリエンスは,Daily Upliftsと関係しており,特に労働者の心のヘルスプロモーションへの活用可能性が示唆された.
著者
坪井 康次 中野 弘一 筒井 末春
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.143-150, 1995-02-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

Many patients with depression visit at the department of psychosomatic medicine. It is characteristic of these patients that their symptoms are milder than the patients in psychiatry and they have more somatic symptoms than psychological. The therapeutic approach to depression may have to be modified by the patients' psychological status, because the genesis of depression is varied and depression is a heterogeneous disorder. We studied the features of these patients and their therapeutic procedures in our department of psychosomatic medicine. Eighty percent of all first-visit patients had depressive disorders (classified by DSM-III-R), and 30.2% of them were major depression, 11.8% were dysthymia and 58% not otherwise specified (NOS). The severity of depression was milder. The recent general adaptation function (GAF) of major depression was lowest in the three subtypes of depressive disorders, even though the mean GAF score of major depression was 55.4. The comorbidity of somatic disorder shows a high rate. Forty percent of patients with depressive disorders have functional somatic disorders, such as irritable bowel syndrome, migraine, tension type headache, hypertension etc. As to pharmacotherapy, many of the patients with depressive disorders in our department of psychosomatic medicine, received plural drugs such as antidepressant, anxiolytics, sulpiride, hypnotics. Antidepressants were prescribed most frequently in the major depression group. Anxiolytics and sulpiride were used commonly in all groups. As to the reason why anxiolytic and sulpiride were prescribed frequently, we have concluded that these phenomena raised from those usual antidepressants need the long period of time before main effects appear and they have various undesirable side effects. The selective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs) are developed and emerging already as a new class of antidepressant in USA and Europe. The SSRIs have equivalent efficacy to standard antidepressant treatment such as the tricyclics, but with improved safety, a more acceptable side-effect profile and reduced risks with overdosage. Treatment expectations will be raised and a broader spectrum of patients will be able to receive treatment.
著者
高山 範理 筒井 末春 中野 博子
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.2_42-2_51, 2010-09-10 (Released:2010-12-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

本研究では,近年,新たなストレス解消方法として期待されている森林浴に着目し,利用者の個人特性が,オンサイトにおける森林浴から享受される心理的な癒し効果(森林浴効果)に,どのように反映されているのかについて明らかにすることを研究の目的とした.まず,二十代の男子学生を調査対象者とし,4種類の調査票を用いて個人特性(17指標)の調査をおこなった.次に,POMS(6尺度)を用いたオンサイトの森林浴実験をおこない,森林浴効果を調査した.その後,個人特性の17指標とPOMSの6尺度の間で,相関分析および2群(個人特性の各指標の得点によって「高群」あるいは「低群」に分類)による対照分析をおこなった.その結果,森林浴の前後で「活気」および「疲労」尺度などに気分の改善効果がみられた.また,相関分析および対照分析の結果から,“神経症傾向”および“失敗に対する不安”と「怒り─敵意」との間に,“外向性”および“行動の積極性”と「活気」との間に,それぞれ有意な負の相関が確認された.さらに,歩行活動によって個人特性の各指標と「怒り─敵意」尺度との間に,座観活動によって各指標と「活気」および「疲労」尺度との間に,相対的に高い相関関係があることが確認された.本研究の結論として,(1):調査地の森林には森林浴効果があった(2):森林浴は,特に神経症傾向や失敗に対する不安感が高い人,あるいは外向性や行動の積極性の低い人により効果的であった(3):(2)のような人々は,森林内をゆったりと散策することで,通常の人よりも,より「怒り─敵意」の感情が沈静化し,よりリラックスした心理状態になることなどが示唆された.
著者
芝山 幸久 滝井 英治 加藤 明子 松村 純子 島田 涼子 坪井 康次 中野 弘一 筒井 末春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.547-551, 1999-10-01

症例は初診時18歳女性で, 身長163cm, 体重37kg, 無月経と体重減少を主訴に来院した. 自己嘔吐や過食のエピソードはなく, 治療経過中に心窩部痛が出現したため内視鏡検査施行したところ, GradeBの逆流性食道炎を認めた. さらに約1年後胸のつかえ感, 心窩部痛が出現したため内視鏡検査再検したところ, GradeDの重症逆流食道炎を呈してした, プロトンポンプ阻害薬(PPI)のランソプラゾール投与にて1カ月後には著明に改善していた. 発症機序として, 低栄養状態に伴う胃排出能低下によりTLESRが増加し, 逆流性食道炎を発症したと考えられた. BNに逆流性食道炎が合併することは知られているが, ANでも胸やけや心窩部痛は胃食道逆流症を想定すべきである. 自覚症状は摂食不良の一因にもなるため, 早期に内視鏡検査を施行して, PPIなどの投与を考慮すべきである.