- 著者
-
大谷 浩
冨田 良雄
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 一般研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1992
(1)SNGシステムのグレードアップ昨年度開発したオートガイド装置と,分光器のCCDカメラの制御系を結んで,SNGシステムの自動化を行った.このシステムでは観測プログラムの進行にしたがって,このパソコンから,ガイドパソコンへスキャン1ステップを実行する命令がRS232Cを介して送られる.これを受けたガイドパソコンは,スキャン相当量だけガイドのためのCCD読みだしサブフレームを移動する.そうすると望遠鏡はその量だけ方向を修正する.こうして,スキャンが行われる.1ステップのスキャンが終了するとガイドパソコンは,CCDパソコンに終了信号を送信する.これを受信したCCDパソコンは露出を開始する.露出終了後,CCD読みだし,ハードディスクへのデータ保存の後,再びスキャン命令をガイドパソコンに送信する.この様な動作の繰り返しによってSNG観測が行われる.(2)オリオン星雲の観測昨年上の観測から,赤外線領域でもSNG観測が十分に可能であることがわかった.その結果多くの輝線の単色像が得られた.可視域では,Hα,[NII]λ6584,[SII]λ6731などでは非常に高いS/N比のぞうが得られた.赤外では,[OII]λ7326の良好な像が得られ,ややS/Nは低いが[SIII]λ9069でも単色像が得られた.これらは,従来の写真観測によるものよりも測光精度がきわめてよく,質の高いデータである.